三菱は、2016年12月度および2016年暦年の生産・販売・輸出実績を発表した。それによると、市場の厳しさは相変わらずだが、前年実績に近いところまで回復している。
■生産実績
まず2016年12月度の実績から。生産では、国内生産が5万2724台で9カ月連続の前年比減となる一方、11月実績よりも6000台以上のプラスを記録。
海外生産は前月に続いて2カ月連続で前年実績を越えた。主要生産地のアジアでは中国が1万985台(前年比160.8%)、タイが2万6499台(同94.0%)で、アジアのトータルで前年比106.0%の4万4417台となった。総生産は2015年11月以来、13カ月ぶりに前年実績を越えている。
■販売実績
国内販売は、好調だった11月よりは減少しているが、回復傾向にあるといっていいだろう。実際の数字は、登録車が2231台(前年比84.8%)、軽自動車が4385台(同100.5%)。合計は6616台となり、2カ月ぶりに前年実績を割り込んだが、前年比94.6%で大きな落ち込みではない。
主な車種の販売台数は、デリカD:5が897台(前年比107.0%)、ミラージュが277台(同322.1%)、eKスペースが1284台(同115.0%)が前年実績を越える台数を記録し好調。
一方、アウトランダーが163台(同70.0%)、アウトランダーPHEVが244台(同47.1%)、eKワゴン・eKカスタムが2241台(同98.8%)、デリカD:2が421台(同74.8%)と苦戦。
今後、主力車種となるアウトランダーシリーズの販売面の回復が大きなカギになる。また、デリカD:2にストロングハイブリッドが追加されたことは明るいニュースだ。
■輸出実績
輸出出荷は、2016年4月以来9カ月連続で前年比減。主な市場ではアジアが544台(前年比30.9%)と3割まで落ち込み、欧州も8730台(同69.1%)で大きく減少。その一方で、北米は1万3365台(同192.3%)と大きく数字を伸ばしている。
■年間実績
次に2016年暦年(1月から12月)の実績は、燃費不正問題の影響を受けて軒並み厳しい数字が並ぶ。各数字は表のとおりとなるが、国内生産は2年連続、海外生産は3年連続で前年比減。それに伴い、総生産も2年連続減となった。
国内販売は、2011年以来6年連続で前年実績を下回る結果となった。2016年11月から回復傾向が見られるとはいえ、信頼回復には長い時間がかかるだろう。日産との提携の成果が現れるのもまだ先になりそうで、三菱にとっては依然として厳しい状況が続くと思われる。
輸出は3年ぶりに前年比割れ。国内販売台数の4倍以上となる輸出出荷台数。それだけ大きなシェアを占める海外マーケットも前年比減となったのは厳しい。
2016年は燃費不正という大問題が表面化した三菱。その後、日産傘下に入るなど様々な動きがあったが、とにもかくにも国内の信頼回復に努めることが最優先課題だ。
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