三菱は2018年03月29日、日立ヨーロッパ社（本社：英国・メイデンヘッド）及びエンジー社（本社：フランス・パリ）とともに、オランダ・ザーンダムにおいてヴィークル・トゥー・ビルディング（V2B）技術の実証を開始したと発表した。
三菱は日立ヨーロッパ及びエンジーとともに、各社の専門性を生かしてV2B技術を活用していくことで、効率的なビルエネルギー管理システムを構築できると考えた。事業者によるCO2総排出量の多くは、事業所及び輸送が占めている。つまりV2B技術を活用することによって、電気代の低減だけでなくCO2削減にも寄与することができるという理屈だ。
EV、PHVなどの蓄電池を持つ車両と、ビルや電力網などの間で電力を互いに供給するためのシステムとしてはV2Xという技術がある。そして日立が提供するそのV2X充電・放電器は、電動車両に充電を行なうだけではなく、電動車両から電気を取り出してオフィスビルや送電網へ送電することが可能で、配電電力系統の調整にも活用できる。
また、太陽光発電パネルと接続すれば、太陽光発電の余剰電気を電動車両の駆動用電池に蓄電することも可能になる。この電力は必要に応じて送電網に戻すだけでなく、非常用電源としても機能させることも出来る。
今回の実証における各社の役割は次のとおり。
次のステップでは、電動車両、再生可能エネルギー、オフィスビルの電力マネジメントシステムをどのように連携させれば、オフィスビルの電力を平準化できるのかを検討していく。
ーー三菱のコベ バンサン常務執行役員は
「この実証事業は、低炭素でエネルギー効率の優れたスマートなビルを構築するための新しい手法として貢献が期待されます。当社はEVとPHEVが将来の都市エネルギーの重要な要素となることを示したいと考えております」と述べた。
