【三菱】「アウトランダーPHEV」などのリチウムイオン電池のリコールを届け出

 

電池セル内部の集電体が検査前に誤って落下した時の衝撃で変形・破損したことが原因

2013年6月4日、三菱は「アウトランダーPHEV」、「i-MiEV」、「MINICAB-MiEV」に搭載されている駆動用のリチウムイオン電池の不具合について、国土交通省に対しリコールを届け出したと発表した。3月27日に不具合発生を公表後、不具合の発生の原因の調査を続け、既報のように中間報告なども行われてきたが、このほど不具合の原因が特定、検証できたため、リコールを届け出た。

リチウムイオン電池の不具合の原因は、製造会社の「リチウムエナジージャパン」の電池セル製造ラインに2012年年11月から導入されたスクリーニング検査工程で、作業員が誤って床に落下させるなどにより電池セルに衝撃が加えられ、内部部品の一部が変形したり金属片が発生したりした不良品が検査を通り抜けて車両に搭載され、外部充電中等に内部ショートを起こしたことだという。スクリーニング工程とは電池セルを機器で回転させながら、各方向に衝撃を与え、電池セル内の不純物(銅異物)を正極側に移動・エレメント内に侵入させ溶解させる工程(タッピング・シェイク工程)と、更に溶解せず残った不純物(銅異物)を正極板に侵入しない場所に移動させる工程(不活性化工程)など、電池の安全性、安定性を確認する工程だ。

今後は製造工程でのスクリーニング検査を廃止し、その代わりに製造した電池を貯蔵して内部の安定性を図るエージング工程をより長時間にすること、電池セル製造ラインでの集塵能力の強化、電池セル製造ラインの最終工程で、電池セルを全数を満充電し、品質確認を実施しするとしている。

このように不具合の発生後、スクリーニング検査を廃止した上で製造ラインに導入する再発防止策について、徹底的な検証を行い、対策の有効性が確認できたためリコールを届け出わけだ。電池セルの生産状況から、リコール作業を6月中旬から順次、開始するという。

また、通常のリコール作業は通常は販売会社で行うが、この駆動用電池のリコール対策作業は特別に「アウトランダーPHEV」は名古屋製作所で、「i-MiEV」、「MINICAB-MiEV」は水島製作所で集中作業する。

またこうしたリコール作業を優先した上で、完成車の生産は、8月下旬を目処にできるだけ早く再開するとしている。

 

 

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