【三菱】アウトランダーPHEVを1月24日から発売。5グレードをラインアップ

三菱自動車は、2012年12月26日EV派生タイプの「プラグインハイブリッドEVシステム」を搭載した新型「アウトランダーPHEV」を2013年1月24日から発売すると発表した。注目の価格は、エコカー減税(免税と平成24年度クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金、上限額43万円)の対象車のため補助金が適用された場合の実質的な価格は289万4000円からで、予告通り300万円を切る価格となる。

「アウトランダーPHEV」は、i-MiEVに象徴されるEV技術、オールホイールコントロールと称される4WD制御技術、SUVのノウハウを結集した「自分で発電する電気自動車」で、SUVタイプとして世界初のプラグインハイブリッド車となる。

特徴として、日常はEV走行、ロングドライブではモーター主体のハイブリッド走行、ツインモーター4WDによる優れた走行性能、最大1500Wの電気が取り出せることや、エンジンで発電して停車中・走行中に充電できる「バッテリーチャージモード」など、大容量バッテリー搭載によるユニークな機能を備える。

ラインアップは、実用装備の「G」、ドライバー支援技術「e-Assist」を標準装備した「G Safety Package」、カーナビゲーション等を追加した「G Navi Package」、「ロックフォードフォズゲート・プレミアムサウンドシステム」や本革シート等の快適装備も充実した「G Premium Package」、ベースグレードとなる「E」の計5グレード構成。

アウトランダーPHEVは、プラグインハイブリッドではあるが、EVベースのレンジエクステンダーという性格が強い。そのため走行モードは特徴があり、60km程度の航続距離を持つEV走行モードで日常走行範囲をカバーする。

さらに長距離を走る場合はエンジンを発電専用として動かし、その電力を使ってモーター走行するシリーズハイブリッド走行モードになる。また、高速走行時は効率の良いガソリンエンジンの駆動力を主体に走行し、加速・登坂などで更に力強い走りが必要な場合には、モーターの駆動力がアシストするパラレルハイブリッド走行モードという3種類の走行モードを、状況に合わせて使い分けるシステムになっている。なおシステムの詳細はここ参照。

またアウトランダーPHEVは、ツインモーターによる4WDシステムを備えるため、車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」を行い、車両の走行安定性を高め、クルマを意のままにコントロールすることができる。もちろん立ち上がりから高いトルクを発生するモーターの特性により、大排気量・高出力エンジン車なみの加速レスポンスが得られるなどの特注も併せ持つ。

この他に、12kWhという大容量バッテリーを搭載しているため、車載コンセント(車内2ヶ所に設置)から交流100Vを最大1500Wまで出力することができ、アウトドアレジャーや非常時において、各種家電製品等へ電力を供給することが可能だ。その容量目安としてバッテリーのみで一般家庭の電力消費量の約1日分、エンジン発電を含めると最大で約10日分の電力供給ができる。(「100V AC電源(1500W)」は「E」を除く全車にメーカーオプション)

大容量バッテリー用のシステムとして、スイッチ操作によりエンジンで発電し、停車中・走行中に電力を蓄えることができる「バッテリーチャージモード」や、蓄えた電力を保持したまま走行する「バッテリーセーブモード」なども採用している。このバッテリーチャージモードは停車中の場合、約40分で約80%まで充電できる。

搭載される駆動用バッテリーは、PHEVシステム用として開発されたリチウムイオン電池を採用。計80個の電池セルを直列接続して、総電圧300V、総電力量1kWhの大容量駆動用バッテリーを構成し、強固なフレーム構造で囲まれたバッテリーパック内に収めている。

駆動力を発生するモーターは最高出力60kW、最大トルク137Nm(フロント)/195Nm(リヤ)の永久磁石式同期型モーターを、フロントとリヤに1基ずつ搭載する。またエンジンは2.0L直列4気筒ガソリンエンジン(4B11型)を搭載。

このエンジンはシリーズ走行モードでは発電専用として、パラレル走行モードでは主に駆動用として使用される。また、高速巡航時など主にエンジンの効率の良い領域で運転されるのが特徴で、パラレル走行モード時の燃費向上のため、エンジン回転数に応じて吸気バルブの開閉タイミングを連続的に可変するMIVEC機構を採用している。

そして、エンジンの動力により発電するジェネレーターは、シリーズ/パラレル走行モードや、バッテリーチャージ/セーブモードにおいて、駆動用バッテリーに充電する役割を担う。

アウトランダーPHEVの大きな特徴は、フロント、リヤのアクスルはモーター駆動で、プロペラシャフトや複雑な変速機構を必要としないため、シンプルな1段固定式の減速機構を組み込んでいる。フロントのトランスアクスルにはクラッチを内蔵し、高速走行時はエンジンを主体として走行するパラレルモードへの切り換えを行うようになっている。

「S-AWC(Super All Wheel Control)」は前後輪の駆動力制御と、左右輪のブレーキ制御を組み合わせて、ドライバーの操作に忠実なハンドリングと、圧倒的な走行安定性を実現する車両運動統合制御システムだ。前後アクスルのモーターの駆動力を電気的に制御することで精密に制御は行われ、モードスイッチとして通常使用時の「NORMAL」と、走破性を高める「LOCK」の2モードを備えている。

アウトランダーPHEVは、減速時にモーターを発電機として働かせることで、回収した電気を駆動用バッテリーに充電。ブレーキペダルを踏み込むと、より回生ブレーキを強くする制御も採用し、積極的に減速エネルギーを回収するようにしている。なお、回生ブレーキの強弱を、セレクターレバーで3段階、ステアリングホイールに装着したパドル式回生レベルセレクター(「E」以外に標準装備)で6段階に調節することができるのもユニークだ。

三菱自動車公式サイト

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