2012年7月4日、三菱自動車とPSA(プジョー・シトロエン)グループは、ロシアのモスクワ市の南西180kmに位置するカルーガ州の2社合弁による車両組立工場(PCMAロシア)で、本格的なノックダウン生産の開始を記念する式典を行ったと発表した。
PSAグループが70%、三菱が30%出資する合弁組み立て工場であるPCMAロシアは、2010年4月から2社のクルマのセミノックダウン生産を始めており、車種としてはプジョー 308、プジョー 4007、シトロエン C4、シトロエン C クロッサー、そして三菱アウトランダーの組立てを行ってきた。この方式は完成したコンポーネンツを使用した最終組み立てのみを行うものだったが、この7月からは部品単位で供給を受け、溶接や塗装を含む全面的な車体加工・組み立てを行う本格製造工場として機能することになる。
当面はプジョー408の生産を立ち上げ、11月からは三菱の新型アウトランダーの生産を開始、さらにシトロエンの生産も行うという。この本格生産の開始に伴い、同工場で組立てられる車両には多くの現地調達部品が使用されることになり、工場の生産規模拡大、今後の部品現地調達促進の取り組みは、ロシア自動車部品業界の発展に貢献する。
PSA監査役会のティエリー・プジョー議長は、「今、世界の中で最も力強い成長を見せている自動車市場のひとつであるここロシア市場には、我々自動車メーカーが大きな成長を遂げるためのチャンスがあります。この急成長市場で遅れを取らないために現地生産は不可欠です。今回の本格生産の開始により、当社はロシア向け車両生産能力を大幅に拡大することができます。また、これにより、当地における当社ブランド力の強化、そして当社グローバル戦略の強化を実現することができます。」とコメントしている。
三菱の西岡喬会長は、「今回の現地生産では、PSAとシナジー効果を発揮することで、事業効率の向上、事業規模の拡大が可能となります。今後も需要拡大が見込まれるロシア市場での現地生産により、私たちは市場ニーズにマッチした高品質で魅力ある商品を供給する体制を確保することとなります」と述べている。
ロシアにおけるPSAの2011年の年販売台数は前年比35%増、そして2012年第1四半期の販売実績についても前年比25%増。また、販売エリアの拡大も着実に進んでおり、現在ではロシア全土の約90%をカバーしている。同社は本年中に新型車6車種を投入する予定だ。
三菱のロシアにおける2011年の年販売台数は前年比63%増と大幅な増加で、2012年には新型アウトランダーの投入を柱として更なる躍進を計画している。現行型のアウトランダーは、ロシア市場における三菱車のラインナップ中、最量販車種であり2012年7月にフルモデルチェンジする新型アウトランダーによりさらに販売拡大を目指している。