三菱ふそう 世界初の量産電気小型トラック「eキャンター」を発表

2017年9月14日、三菱ふそうトラック・バスは、ニューヨーク市から、世界市場へ向けて電気小型トラック「eキャンター」のワールドプレミアを行なった。

「eキャンター」は、世界で初めて量産される電気トラックとなり、アメリカ、ヨーロッパ、日本のフリート・カスタマーに納入を開始する。今後2年間でさらに500台の販売を計画しており、2019年から一般の顧客向けに量産を開始する計画だ。

三菱ふそう 電気小型トラック「eキャンター」 サイドイメージ
eキャンター アメリカ仕様車

なお日本国内向け車両は川崎工場で7月から、ヨーロッパ向け車両は7月下旬からポルトガルのトラマガル工場で生産を開始している。川崎工場製は50台が製造され、25台はセブン-イレブン・ジャパンに納入。トラマガル工場製の100台はヨーロッパ、アメリカ向けだ。

アメリカでは、UPS社(ユナイテッド・パーセル・サービス社)に最初の「eキャンター」を納入。UPS社は、持続可能な社会の実現を目指し、保有車両をゼロ・エミッショントラックに移行していく予定だ。

また、ニューヨーク州検事総長エリック・シュナイダーマン氏の協力により、8台の「eキャンター」を、ニューヨーク市に拠点を置く4つの非営利団体である、野生生物保護協会、ニューヨーク植物園、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ニューヨーク、ビッグ・リユーズ・ブルックリンに提供する予定となっている。

三菱ふそう 電気小型トラック「eキャンター」 ニューヨーク走行イメージ

ーー三菱ふそうのマーク・リストセーヤCEO
「三菱ふそうは電気トラックを量産する初の企業となります。代替駆動システムの開発に取り組んできた長い歴史において、新たな時代を迎えることを誇りに思います。数年にわたる実用供試を経て量産化したeキャンターを、部品、サービスおよび車両の品質保証とともに、ふそうのグローバルネットワークを通じて提供します。eキャンターは、環境に優しい製品を強く求める世界的動向に対応した製品です。従来の内燃機関に替わる電気トラックの登場は、未来の都市内配送を担うカギとなります」と語っている。

電気小型トラック「eキャンター」は、都市が抱える騒音や排出ガスの課題を解決する答えとして、三菱ふそうが開発した。ヨーロッパの実用供試を通して、環境に優しく経済性に優れていることを証明。今回ニューヨークで発表した車両は、車両総重量7.5トンクラス、1時間(直流急速充電)/9時間(交流230V)の充電で航続距離は100km以上だ。

電気駆動システムには、モーター(最大出力129kW/175ps、最大トルク420Nm)と、360V/13.8kWhの高電圧リチウムイオンバッテリーパックを6個搭載している。従来のディーゼル車と比較して、走行1万kmあたり最大13万円のコスト削減を可能にしている。

三菱ふそう 電気小型トラック「eキャンター」 充電風景

なおバッテリーはメルセデス・ベンツ・エナジー社(ドイツ)が製造する。さらに充電設備のプロバイダーであるチャージポイント社(アメリカ)、ダイムラーのトラック部門は高速充電技術を開発するストアドット社(イスラエル)への投資を決定し、トラックの電動化をカバーする計画だ。

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