ふそう ハノーバー商用車ショー 2016で電気駆動トラック「ふそう eCanter」を世界初公開

Fuso eCANTER
駆動モーターは185kW/380Nm、リチウムイオン・バッテリー容量は最大70kWh。車両重量は2860kg

2016年9月21日、ダイムラー・トラック・アジア(DTA)は、ドイツ・ハノーバーで開催されている国際商用車ショー(IAA 2016)で、ふそうの電気小型型トラック「eCanter」を世界初公開した。

この「eCanter」は、三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)とダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)が協業を行なうダイムラー・トラック・アジア(DTA)が、ハノーバー商用車ショーに出展した。

ふそうの電気駆動トラックは、2010年のハノーバーショーに第1世代の電気駆動トラックを出展。その後は日本、ポルトガル、ドイツ・シュトゥットガルト市で実証実験を行なっている第2世代の「キャンターE-CELL」の技術をベースにして、今回の第3世代の「eCanter」が実現している。

「eCanter」の航続距離は100km以上を実現。これは短距離輸送を担う小型トラックの1日の平均走行距離を上回る距離だ。日本では市街地を走る小型配送トラックの80%が50km程度。「eCanter」は個別ニーズに応じた航続距離や積載量を実現可能にするため、搭載バッテリーをモジュラー化しているのが特徴だ。

Fuso eCANTER, Exterieur, mittelblau metallic, Generator: DC 12 V 250 Amp, HV Batterie: 70 kWh, Motorleistung: 185 kW, Leergewicht: 2.860 kg, Nutzlast: bis zu 4.600 kg, 3 Sitzplätze ; Fuso eCANTER, Exterior, mid-blue metallic, generator: DC 12 V 250 Amp, HV battery: 70 kWh, Engine power: 185 kW, curb weight: 2860 kg, payload: up to 4600 kg, seating capacity:3;

容量13.8kWhのリチウムイオン・バッテリーを3~5個にパッケージ化し、個別ニーズに応じ、オプションとしている。5個搭載した場合、車両総重量(GVW)7.5tクラスで、1日100kmの走行が可能となる。充電にかかる時間は200Vの充電器で約7時間、急速充電の場合は1時間弱程度となっている(73kW、80%充電)。出力185kW(252ps)、最大トルク380Nmの駆動モーターを搭載している。

積載量は2~3tで、ディーゼル車と比べてランニングコストは最大で64%削減でき、維持費も30%削減できることから、初期費用は2年で回収できる試算だ。

「eCanter」はコネクティビティ技術を搭載しており、「車両状態」、「走行距離」、「タスク・アロケーション」を設定。「車両状態」は車両のあらゆる部分の異常を検知、「走行履歴」は、1日の走行距離や走行時の充電状態、配送状況や燃費データなどを表示。「タスク・アロケーション」は、デジタルコントロールパネルと配送担当者のコンピュータを接続することで配送担当者は作業内容をドライバーに送信、ドライバーは集荷・配達時間を配送担当者に返信することができる。

Fuso eCANTER

この「eCanter」は2017年後半からアメリカ、日本、欧州で市街地輸送を担う輸送企業に納入を開始する予定だ。製造はポルトガル・トラマガル工場、川崎工場で行なわれる。

なお、国際商用車ショー(IAA 2016)にはダイムラー・トラック社も3軸の電気駆動の中型トラック「アーバン・トラック」を出展している。こちらは125kW/500Nmのモーターを2個、モジュール化したリチウムイオン・バッテリーの最大容量は212kWhだ。

ダイムラー・トラックのアーバンeトラック
ダイムラー・トラックのアーバンeトラック

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