三菱ふそうトラック・バスは2011年12月3日から一般公開される、東京モーターショーの出展概要を発表した。それによると、来春発売予定の小型ハイブリッドトラック「新型キャンター エコ ハイブリッド」を世界初公開する。その他にも、国内初公開となる小型電気トラック「キャンターE-CELL」や、高速道路での燃費性能を高めた大型ハイブリッドトラック「スーパーグレート エコ ハイブリッド」などを出展する。
同社は今回のショーにおける展示テーマを「POWER TO THE FUTURE」とした。これは2012年がFUSOブランド80周年の年となり、これまで培ってきた独自の技術力や、社員の経験や努力に基づいた知識を生かすことで、地球環境に調和し、ビジネスと社会生活の豊かな未来へダイナミックに放つとの思いが込められている。
新型キャンター エコ ハイブリッドは、2006年の初代デビュー以来6年ぶりのフルモデルチェンジとなり、今回で2代目となる。商用車としては世界初となるモーター内臓デュアルクラッチ式自動トランスミッション「DUONIC」を採用することで、変速ショックを最小限に抑えるとともに、変速時のトルク抜けを解消し、滑らかなシフト感を実現する。
さらに、新型の高性能リチウムイオン電池とフィアット・パワートレイン・テクノロジー社と共同開発した4P10型ディーゼルエンジンを組み合わせることで、世界最高レベルの燃費を目指している。
国内初公開となる参考出品車の小型電気トラック「キャンターE-CELL」は、欧州向け小型トラックのキャンター3S13をベースに、リチウムイオンバッテリー(40kWh)とモーター(出力70kW、最大トルク300Nm)を搭載し、10時間(200V)の充電で、約120kmの走行が可能となっている。
そして先日、プレス関係者向けに公開された大型ハイブリッドトラック「スーパーグレート エコ ハイブリッド」も出品される。国内商用車として初の高速走行を前提とした大型ハイブリッドトラックで、キャンター エコ ハイブリッドで好評を得ているパラレル方式のハイブリッドシステムを採用。新開発のモーターと12段機械式自動トランスミッションINOMAT-II(イノマットツー)及び新開発リチウムイオン電池と、6R10型エンジンとの組み合わせにより、高速道路走行時に、従来型のディーゼルトラックより10%以上の燃費改善効果を達成している。
新型キャンター エコ ハイブリッドとスーパーグレート エコ ハイブリッドの2台は市販前提のモデルとなっており、要注目だ。近い将来この2台が世界の物流・運搬を支えていくことであろう。
なお市販車両としては、大型観光バス「エアロクィーン」の計4台の車両展示とともに、ハイブリッドシステムを中心とする環境技術の展示も行う。