2014年6月10日、マツダは「スカイアクティブ テクノロジー」を採用した1.5Lのクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」を新型「マツダ デミオ」に搭載すると正式発表した。
マツダは、2014年3月に開催されたジュネーブショーにコンセプトモデル「跳(HAZUMI)」を出展し、新開発の1.5Lディーゼルエンジンのワールドプレミア行なっている。この段階では「跳(HAZUMI)はコンセプトカーであり、エンジンもコンセプトカー用という扱いだったが、今回の発表で2014年秋に発売予定の新型デミオへの1.5Lディーゼルの搭載が確定した。
「SKYACTIV-D 1.5」は既に「マツダ CX-5」などに搭載されているクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」と同様の、つまりモジュラー設計されたエンジンであり、低圧縮比を採用しながら理想の燃焼を追求したとしている。低圧縮比によりNOx後処理装置なしで環境基準をクリアし、2.5Lガソリンエンジン並みのトルクを発生し、高回転までリニアに加速する気持ちよい動力性能を実現しているという。
技術的には、低圧縮比化の他に、1.5L版では燃焼における「均質リーン化領域の拡大」、エンジン小型化による冷却損失増大を抑制するための「断熱」技術、徹底した「機械抵抗低減」などの燃費改善技術を追加採用し、コンパクトカーに最適なパワートレーンとして進化させているという。
■SKYACTIV-D 1.5の特長
・小排気量ディーゼルエンジンで最も低い圧縮比14.8を採用
・新採用の高分散噴霧のソレノイド式インジェクターと新形状の段付エッグシェイプ型ピストン冠面による火炎の壁面接触低減、過渡燃焼制御技術により冷却損失を抑制
・高圧EGR&低圧EGRシステムを新採用することで均質リーン化領域を拡大し燃費環境性能、パフォーマンスフィールを向上
・エンジン冷却システムに新たに冷却水制御バルブ(CCV)やウォータージャケットスペーサーを採用し、早期ウォームアップ、燃焼効率改善と機械抵抗低減を実現
・低速域から高速域まで十分な過給圧が得られる新型の回転センサー付きの可変ジオメトリーターボチャージャーを採用
・吸気管一体式水冷インタークーラーを新採用し、加速レスポンスおよび過給効率を向上
・NOx後処理システムなしで、日本のポスト新長期規制、ユーロ6をクリア