マツダは2012年7月5日、2人乗り小型オープンスポーツカー「マツダ ロードスター」の一部改良を行った。エクステリア・デザインでは今回、グリル開口部を拡大。またソフトトップ車とパワーリトラクタブルハードトップ(RHT)車の差別化を徹底している。さらにドライバビリティにも改善を加えたほか、アクティブボンネットを新たに標準装備として安全性能面でもアップデートを果たしている。
今回の商品改良では、ソフトトップ車とRHT車の個性の違いを差別化することに重点が置かれた。 ソフトトップ車は“タイトスポーツ”をキーワードに、フロントのコンビネーションランプベゼルやインナードアハンドルなどにスポーティなブラック基調のコーディネーションを採用。メーターフードも新デザインの小型タイプに変更になった。アルミホイールもRSの17インチは従来からのダークガンメタリック塗装を踏襲。16インチはシルバーからダークガンメタリックに変更になっている。
一方でRHT車は“プレミアムスポーツ”をキーワードに、各所に上質感を目指してシルバー系統のパーツを多く採用。フロントのコンビネーションランプベゼルはクローム調で、17インチアルミホイールには新デザインのシルバー系が追加されている。
なお、両シリーズ共通の変更としては、グリル開口部を拡大してフロント・フェイスのデザインを変更し、奥行き感を演出している。フロントのコンビネーションランプベゼルも新デザインとなり、チンスポイラーも新採用だ。ボディカラーは新色の「ドルフィングレーマイカ」を含む全7色が設定されている(従来からの色ではメトロポリタングレーマイカが廃止)。
インテリアでは、本革シートに新色の「タン」を新たに設定。シートのサイド部などに黒色を配したツートーンカラーのスタイリッシュなデザインも採用された。さらにデコレーションパネルとステアリングホイールベゼルを光沢ある深みを持った新色のグロッシーダークグレーに変更している(ソフトトップ車のSではオプション)。この新色のグロッシーダークグレーはソフトトップ車のメーターリングや、同じくソフトトップのRSグレードではシートバックバーガーニッシュにも採用されている。
また、ドライバビリティ向上のためにスロットルやブレーキブースターの特性を見直された。まずマニュアルトランスミッション車の場合、コーナーを曲がって再加速する場面などでレスポンスをよりリニアな特性とするため、スロットル制御プログラムを変更。リニアリティのある軽快なパフォーマンスフィールを実現した。さらにブレーキブースター(制動倍力装置)の特性を変更して、車両の前後荷重のコントロールをより容易にできるように改善している。
最後に安全性能面でも進化が見られた。スポーツカーとしてボンネットを低く抑えたデザインを維持しながら、万一の事故の際に歩行者の頭部への衝撃を緩和するアクティブボンネットをマツダ車としては初採用し、全車に標準装備とした。これは一定の速度範囲内で走行中、一定以上の衝撃をセンサーが検知するとボンネット後端が瞬時に持ち上がり、エンジンとボンネットの間の空間を広げるシステムだ。これが衝撃を吸収する空間となって、事故の際に歩行者の頭部への衝撃を緩和する仕組みになっている。
また細部では、今回もグラム単位の軽量設計を徹底。重量の増加を抑えるため、新デザインのフロントバンパーやアクティブボンネット、新デザインの17インチアルミホイール、車両内部の配線に至るまで軽量化や見直しをしている。
消費税を含むメーカー希望小売価格は以下だが、VSのRHTが3万円の値下げとなった以外は全車が据え置きとなっている。