レクサス 477psのV8エンジンを搭載する本格的スポーツカー、RC Fを発売

レクサス RC F
RC F(ヒートブルーコントラストレイヤリング)

2014年10月23日、レクサスはスポーツクーペ「RC」と同時に、RCをベースにより本格的なスポーツバージョンに仕上げた「RC F」を発売した。RC Fは、RCをベースとはいえ専用開発されたスポーツ性の高いモデルで、開発責任者のチーフエンジニアも、Fモデル専任の矢口幸彦氏が担当している。

RC Fの使命はレクサス「F」のスポーツイメージをより際立たせることで、LFAを頂点とするスポーツモデル「F 」シリーズ中で、サーキット走行も可能な本格的プレミアムスポーツクーペと位置付けられる。つまりRC FはこれまでのIS Fの後継モデルではなく、性能をさらに引き上げ、モータースポーツ参戦のベース車にしやすいクーペボディとし、FIA公認の国際レース規格「GT3」を始め、さまざまなレース参戦することでレクサス「F」の称号を持つスポーツマシンのパフォーマンスを証明する役割を持つ。つまりBMWにおけるM社をイメージしているわけである。

レクサス RC F
RC F“ Carbon Exterior package” (ラヴァオレンジクリスタルシャイン)
レクサス RC F
RC F(ヒートブルーコントラストレイヤリング)

従って、RC Fの開発コンセプトは、LFAを想起できるリアルスポーツとしての世界観と技術の継承、「F」の楽しさ3要素、サウンド、レスポンス、伸び感 (パワー)の継承と深化、RC Fによるモータースポーツへの参戦という3本とされる。

RC F ボディサイズ

走りのコンセプトは、ドライビングスキルの高くないドライバーでも安全に走りが楽しめ、スキルが高い場合にはサーキットでクルマの性能をどんどん引き出せる、非日常的なスポーティなドライビングプレジャーにフォーカスを当てている。

レクサス RC F
RC F (インテリアカラー:ホワイト)

デザインは、RCをベースに専用エクステリアパーツを採用。フロントフェンダーのL字シェイプのエアアウトレットや、4連エキゾーストディフューザーなど「F」のアイデンティティを継承している。機能面ではラジエーターグリルを大型化するとともに、両サイドに空冷オイルクーラーを装備。サーキット走行に対応している。フロントグリル内には、ブレーキ冷却ダクトを装備。さらに、空力性能にも効果があるセンターバルジ付エンジンフードには、エンジンルームのエアアウトレットとしても機能する。さらにリヤには80km/hでアップし、約40km/h未満でボディに自動格納するアクティブ・リヤウイングを備えている。

レクサス RC Fレクサス RC F メーターパネル

インテリアは、シート、ステアリング、シフトノブ、メーターには、すべての走りのシチュエーションでドライバーをサポートする機能を持たせた上で上質な世界観を実現。シートは表皮一体発泡成形によるヘッドレスト一体のハイバックスポーツシートを採用している。ステアリングホイールは上部を継ぎ目のない一枚革で覆っており、握りやすい楕円形を採用。さらに、サーキット走行を繰り返し行なったテストドライバーの評価により、理想的な太さとグリップ感を実現。本革のかがり縫いステッチは、ホワイト、ブラック、ブルーの3色で構成。ダッシュボード中央にはRC F専用のアナログクロックを装備している。また、ナビやオーディオの操作はリモートタッチパッドで行なえるようになっている。

レクサス RC F

RC F ボディ補強

シャシーは、RC F SPORTをベースに専用チューニングを加えている。サーキット走行で思い通りに動き、安心して攻められるようにハイグリップでワイドな19インチの大径タイヤを採用。サスペンションはジオメトリーの最適化を狙い、パーツを新設計。ハブキャリア、アーム類を新設計し、サスペンション剛性を向上。ロール剛性も高めている。ステアリング系もチューニングされ、操舵レスポンスの向上を図っている。こうしたチューニングのために世界各地のサーキットで走り込んだという。ブレーキはフロント=アルミ対向6ピストン、リヤ=アルミ対向4ピストンのモノブロックキャリパー、高摩擦パッドを採用。さらにホイールも鍛造製としている。

RC Fメーター表示

シャシー制御は、スポーツモード付VDIM、オートマチックハイビーム、ミリ波レーダー式のプリクラッシュセーフティシステム、ブラインドスポットモニター、リヤクロストラフィックアラート、カメラ式のレーンディパーチャーアラートなどを装備している。

RC F ドライブモード メーター表示

RCF TVD

またRC FはFR車で世界初の駆動力トルクベクタリングシステム「TVD」をオプション設定としている。TVDは、走行状態に応じて後輪左右の駆動力を電子制御し、コーナリング時に理想的な車両挙動を実現する。制御モードは、STANDARD、SLALOM、CIRCUITの3つのモードを設定。そして、スポーツモード付VDIMは、自らのスキルでサーキット走行を楽しみたいドライバーのために、基本的にVDIM制御をオフ状態としながら、万一の際には車両挙動の乱れを緩和する制御が働くEXPERTモードを新設定。ABSは上下加速度センサーを採用した新制御や、新設定のTVDとの協調制御によりVDIM機能を進化させている。

RC F エンジン
自然吸気5.0L・V8(2UR-GSE型) 低負荷時はアトキンソンサイクル運転を行なう

自然吸気5.0L・V8(2UR-GSE型)

エンジンはシリンダーヘッドやコンロッドなどを刷新し、直噴技術D-4SやDual VVT-iの吸気側にVVT-iE(電動式)を採用した自然吸気5.0L・V8(2UR-GSE型)を搭載。477ps/530Nmを発生する。自然吸気ならではの気持ちの良いエンジン回転の伸び感とレスポンスの良さを実現。また街中などでの低負荷走行時には、アトキンソンサイクルとして低燃費と高出力を両立。8-Speed SPDS(8速AT)は、Mポジション選択時に最短0.1秒で変速できる。

ボディは、RCと同様の構造用接着剤、スポット打点間の溶接には従来より細かいピッチで溶接できるレーザースクリューウェルディング、ガラスとボディ間には結合力を高める高剛性ガラス接着剤などを使用したボディをベースに、高剛性フロントブレース、リヤパーテーションブレースなどを補強材を採用し、サーキッキットでの入力に耐えられるボディとしている。

また。RC F Carbon Exterior package車は、車両の中でも重心の高い位置にあるエンジンフード、ルーフ、アクティブリヤウイングにLFAでも採用されたカーボン材を採用し、約10kgの軽量化を果たしている。

レクサス RC F 諸元表

レクサス RC F 価格

レクサス公式サイト

COTY
ページのトップに戻る