ホンダは2024年12月17日、新型ハイブリッドを搭載するスポーツクーペ「プレリュード」を2025年後半に米国市場に導入すると発表した。このスタイリッシュな新型プレリュードには、新開発の「S+シフト」という新しいドライブモードが搭載される。
新型「プレリュード」はかつてのモデルの伝統を受け継ぎながら、さらにスポーティに進化させ、ドライビングプレジャーを楽しめるクーペになっている。
かつて存在したスポーツ・クーペであるプレリュードがハイブリッド・スポーツモデルとして復活する。
1970年代のホンダのラインアップは、シビック、アコード、プレリュードの3車種であったが、新たな時代に合わせたこの3車種の最新ハイブリッド・モデルがラインアップに加わる。
ハイブリッド・モデルのプレリュード・コンセプトは、1978年11月に初代プレリュードが生産開始されてから45年後の2023年、ジャパン・モビリティショーでワールドプレミアを行ない、同年のロサンゼルス・オートショーで北米での初公開が行なわれた。
新型プレリュードのパワートレインのベースになっているのはシビック・ハイブリッドで、高効率の2.0Lミラーサイクル・エンジンに2モーターを組み合わせている。
この新型プレリュードには新開発の「S+シフト」という新しいドライブモードが採用されている。新たに開発されたS+ シフトは、e:HEVの特性を生かしながら、さらにドライバーとクルマの一体感を際立たせるドライビングプレジャーを追求した新機能だ。
2020年に発売したe:HEVを採用した「フィット」から、車速とエンジンサウンドを連動させる制御「リニアシフトコントロール」を搭載していたが、そのリニアシフトコントロールを進化させ、e:HEVならではの高い環境性能は保持しつつ、加減速時に緻密にエンジン回転数をコントロールし、ダイレクトな駆動レスポンスと鋭い変速を実現させたというものだ。
全車速域で、運転状況や走行環境に応じた擬似的な8速のアップシフト、ダウンシフトを行なう。つまり本来は変速のないe:HEVだが、あえて8速のトランスミッションのように段付き感のある加速、減速が行なわれるのだ。
またシフトホールドが作動する状態では、運転状態に合わせた最適なエンジン回転数を維持することで、再加速時におけるエンジン発電電力を最大限駆動力へ活用。これにより、アクセルを踏んだ際のモーター初期応答時間を大幅に短縮させ、ドライバー操作と直結した、リニアなレスポンスを生み出している。
さらに、エンジン回転数と同期した迫力のあるサウンドをスピーカーから流すことで、エンジンサウンドの音質を高めるアクティブサウンドコントロールシステムを組み合わせ、これと協調し俊敏に反応するメーターなどにより、あたかも高回転エンジンを搭載するスポーツカーに乗っているかのように錯覚させる。ドライバーの五感を刺激し、よりドライバーとクルマが一体化したような、爽快で意のままの走りを目指しているわけだ。
このS+シフトは、プレリュードが採用第1弾となるが、その後は他のハイブリッド・モデルにも展開される予定だ。
新型プレリュードはシビックのプラットフォームと共通で、フロント・サスペンションはシビック TypeR譲りのデュアル・アクシス式ストラット、電子制御ダンパーを採用し運動性能の高さとダイレクトで俊敏なドライブフィールを実現している。
新世代のハイブリッド・モデルは、ホンダの電動化戦略における重要なステップとされ、主力モデルにハイブリッド・パワートレインが搭載される。
ホンダは2024年に記録的なハイブリッド・モデルの販売を達成し、現在ではブランド総販売台数の4分の1以上を占めている。現在、アコードとCR-Vの販売台数の50%以上をハイブリッドが占めており、アメリカ市場に新たに導入されるシビック・ハイブリッドは最終的にシビック販売台数の約40%を占めると予想されている。
ホンダはすでにアメリカ市場でEVモデル「プロローグ」を発売しており、さらにオハイオ工場のEVハブで、新型EVモデル群を生産する準備を整えている。すでに概要が公表されているEV「ホンダ ゼロ・シリーズ」はオハイオ工場のEVハブで生産されることになる。
ホンダはEVと最新世代ハイブリッドの2本立てで2040年に販売するモデルの100%をEV/FCEVとする目標に向かって前進することになる。