ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)

ホンダのNシリーズで、独自のマーケットを作り出したN-ONEがフルモデルチェンジをした。ラインアップには6速MTターボもあり、早速試乗してきたのでお伝えしよう。

開発責任者の宮本渉さんは、2代目を作るにあたって、コンセプトがもっとも苦労したと話している。というのは、今も初代の人気は衰えることなく、支持されている。だが、先進安全装備類が不十分という声が市場からは多いという。そこで、エクステリアデザインはキープコンセプトとして、クルマづくりは最新の技術で作り、装備も最先端のものを搭載していくというコンセプトとなり、2代目が完成したわけだ。

さらに、初代がデビューしたときからMT待望論はあったように、この2代目で期待に応えて6速MTターボがラインアップをした。じつは、初代がデビューしたとき、ホンダの軽自動車にMTを搭載しているモデルがなく、N-ONEだけの専用開発になってしまうという背景があった。だから仮に搭載したとしても、台数は期待できないことが容易に想像できた。今の時代AT免許もあり「MTならもっとおもしろいのに」という意見を理解しつつもビジネスとして捉えた場合、厳しい状況であったわけだ。

N-ONEはタイムレスデザインとし、人気のエクステリアを継承した

その後ホンダはS660というピュアスポーツカーを発売し、N-VANという商用モデルにもMTを搭載した。だから今回のN-ONEにはこれらに搭載されているユニットをN-ONE用に改良してMT搭載が実現したわけだ。しかもターボと組み合わせているあたりも、好きな人には響く設定と言える。

こうして2代目のN-ONEには、MT車も含め最新のホンダセンシングも搭載され、また4WDも(RSを除く)設定し、かゆいところに手が届く魅力的なラインアップになったのだ。

「オリジナル」はCVTのNAエンジン搭載

RSの6速MTターボ

試乗したエリアが横浜みなとみらい地区で、市街地と高速道路という環境で本当はワインディングを走ってみたいところだが、日常的に乗るエリアでも十分楽しかったことは期待どおりだった。

「RS」はスポーティなインテリアで6速MTがダッシュボードからシフトレバーが出ている

車両は、高い剛性感があり、またドア締め音からも安っぽさは消え、いい感じになっている。ホンダは以前からインナーフレーム構造の製造を取り入れているため、部材の補強などはいわゆるモノコック構造より、緻密に、繊細に対応できるため、軽自動車としてはレベルの高いクルマづくりをしている。

室内のインテリア・デザインも最新のものになり、ダッシュボードやドアパネルなど見えるところ、触るところからも安物感はない。こうしたことからも、普通乗用車との差がどんどん縮まっていることを実感する。このあたりの詳細は下記の関連記事を参照していただきたい。

関連記事:ホンダN-ONE新型デビュー RSグレードにFFターボ6速MT搭載

最初の試乗は「RS」で6速MTターボモデル。走り出しではクラッチの軽さと半クラッチのわかりやすさがいい。クラッチミートさせ発進させると3気筒のVTECエンジンは、軽らしからぬサウンドを聞かせて加速する。スペックは自主規制の47kW(64ps)/6000rpm、104Nm/2600rpmだが、力強さがあり軽自動車を感じさせることはない。これは高速道路でも同様で、合流車線での加速や追い越し加速なども力強く、不満を持つことはないだろう。

ターボに6MTの組み合わせはかつてボーイズレーサーを思い出す

このエンジン音は、やはり相当な配慮をしたというのだ。RSに相応しい音にしたいというのが開発エンジニアの想いだ。音は丸くなりカドのない音になっているので、聞き心地がよい。スポーツカーのように官能的とまではいかないが、あの軽自動車独特の音とは違う次元にいることだけは感じ取れるのだ。

さらに最新のホンダセンシングを搭載していることも嬉しい装備だ。MTモデルでもACCは装備されているので、巡航走行のときは便利。またサポカーワイドに該当する機能も装備しているので、最新の安全、安心装備がこのN-ONEにも搭載されたわけだ。

乗り心地も非常に良かった。タイヤサイズが小さいことなどから乗り心地には厳しい点もあると思うが、しなやかにサスペンションは動き、妙なフリクションもない。しっとりとした感じさえ持っているので、ますます普通車との差がないように感じてくるのだ。

■CVTにもスポーツを
CVTモデルではターボ、NAの両方に試乗できたが、市街地走行、高速走行ともに満足度は高い。もちろんターボのほうが力強さはあるが、NAが非力だと思う場面には出会わない。NAでも十分楽しい走りが味わえるのだ。

CVTにもスポーツ性のあるシフトデザインマップが投入されている

RS同様エンジン音がよくなっているので、気持ちいいし、N-ONEのシルエットからも分かるようにワンボックスタイプではなく、ハッチバック系のシルエットだから、背中に空間を背負って走っている感じはない。クルマを運転しているというごく当たり前のフィーリングがある。

N-BOXやN-WGNは、空間を広くもたせる使命を背負っているので、背中から後ろは大きな空間になり、どこか商用車的で空気?を運んでいる感じにも思うが、N-ONEでは乗用車を運転している気分になれる。

そのためAピラーは傾斜しているのだが、視界の邪魔をするものはなく、また、乗用車よりはヒップポイントは高いので、見晴らしは良い。この運転席からの見晴らしに関して、ホンダ車全般に共通していて、ダッシュボードを下げ、視界を妨げるものを排除する思想がある。よく見える視界は安全運転の大事な要素というメーカー姿勢を感じる部分でもある。

後席の広さも十分あり、四角いワンボックスタイプ嫌いな人におすすめ

ちなみにボディサイズはもちろん軽規格サイズで、全長3395mmm,全幅1475mmで、全高はFFが1545mmで立体駐車場に入る。4WDは残念ながら1570mmで立駐はNGだ。そしてホイールベースは2520mmで、ハイトワゴンにカテゴライズされるものの、セダン系の派生モデルというディメンションだ。

またCVTでもスポーティな走りが楽しめるように制御をしている。「Gデザインシフト制御」と呼ぶものでアクセル開度にリニアに反応する制御で、素早くGが立ち上がるようにセッティングしている。またエンジンの回転と車速の上昇にズレが生じるラバーバンドフィールを打ち消し、ステップATと同じような加速感になっている。

Gデザインシフト。加速Gの立ち上がりを素早く、加速のための減速シフトも

さらに下り坂でブレーキを踏むと自動でエンジンブレーキを強めるように「ブレーキ操作ステップダウンシフト制御」というのも新たに組み込んだ制御にしている。これは下り坂だけでなくコーナリングでもエンジン回転が落ちずに高回転を維持するので、コーナー脱出時の再加速で力強さを発揮できるのだ。

RSに搭載するCVTには「S」モードがある。RS専用のチューニングで、前述のGデザインシフト制御で、アクセルの中間開度までを高回転化する制御だ。アクセルの低開度のレスポンスを向上させるセッティングを取り入れている。

豊富なボディカラーが用意されている

N-ONEのユーザーは20代、30代の女性や50代の男性からの人気が高く、また走ることが好きなユーザーからも支持されていることから、N-ONEモデル自体がスポーティなモデルへと味付けされていることが分かる。実用一辺倒なワゴンタイプとは違った、走る楽しみを知る、求めるユーザーに応えるモデルと言えるだろう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

価格

●オリジナル
NAエンジン 660cc FF+CVT 159万9400円
NAエンジン 660cc 4WD+CVT 173万2500円
●プレミアム
NAエンジン 660cc FF+CVT 177万9800円
NAエンジン 660cc 4WD+CVT 191万2900円
●プレミアムツアラー
ターボエンジン 660cc FF+CVT 189万9800円
ターボエンジン 660cc 4WD+CVT 202万2900円
●RS
ターボエンジン 660cc FF+6MT 199万9800円


The Mortor Weekly

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