ホンダは、2017年8月31日に軽乗用車「N-BOX」をフルモデルチェンジ。翌9月1日より発売する。
N-BOXは、軽自動車の車名別販売台数ランキングで、首位を独走し続けている車。つまり日本で一番売れている軽自動車だ。そのN-BOXをフルモデルチェンジするにあたって、コンセプトとして掲げたのが「日本の家族のしあわせのために」だった。つまり新型N-BOXは、ファミリーカーの新たなスタンダードとなることを目指して開発されたわけだ。
先代N-BOXで多くのユーザーから支持されたのが、存在感のあるデザインと、広い室内空間だった。そのデザインに関しては、新型になっても基本的には従来のイメージを引き継いでいるが、同時に軽乗用車の枠を超えた車格感を、強く意識した造形に仕上げられている。
また全タイプ標準装備のLEDヘッドライトや、ルーフサイドの溶接にルーフレーザーブレーズを採用。細部にわたって、洗練と上質を追求したものとなった。
空間の豊かさをしっかり継承するインテリアにも、ハイグレード感が盛り込まれている。N-BOXではベージュを基調に、カフェで過ごすようなリラックス空間を、そしてN-BOX Customではブラックを基調とした上質かつ精悍な空間が表現された。
プラットフォームやパワートレインは新たに開発された。ボディは高効率フロアフレーム構造や高張力鋼板の適応拡大に加え、新たな接合技術を導入することで軽量化と高剛性化を両立。安全装備や充実した機能を備えたうえで80kgの軽量化が行なわれ、優れた走行性能や低燃費、快適な乗り心地へとつなげている。フロントピラーの極細化によって、前方視界の向上も図られた。
パワートレインにおいては、自然吸気エンジンにi-VTECを、ターボエンジンには電動ウェイストゲートを、いずれも軽乗用車で初めて採用。さらに、CVTやサスペンションシステムの高性能化も実施され、安心感のある走りと低燃費、快適な乗り心地を実現している。
また、先進の安全運転支援システム「ホンダ センシング」をホンダの軽乗用車として初めて採用しているのも注目だ。衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線維持支援システム、先行車発進お知らせ機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、標識認識機能という従来からの基本8機能に加え、新たにオートハイビームと、ホンダ初となる後方誤発進抑制機能を追加。全タイプに標準装備としている。
従来から好評の広い室内空間は、エンジンルームのコンパクト化、テールゲートの薄型化などによってさらに拡大。テールゲート開口部の高さを低くすることで、自転車などの積み降ろしをより容易にしている。
シートアレンジには、従来のベンチシートに加えて、助手席スーパースライドシート、スロープ仕様を設定。新採用の助手席スーパースライドシートは、前後スライド量を570mmと長くすることで、後席・運転席間の移動を楽にし、標準装備となったスライドリアシートと合わせて多彩な使い方が可能となった。
他にもシート表皮に付着したアレルゲン(ダニ・スギ花粉)の不活性化に加え、抗ウイルス加工を施したアレルクリーンプラスシートや、紫外線と赤外線を軽減する360° スーパーUV・IRカット パッケージをすべての窓に採用するなど、車内の環境を快適に整える先進装備を充実させている。振動や騒音を発生源で抑制する「高性能エンジンマウントシステム」を採用し、さらに防音材や遮音材を最適に配置することで、静粛性を徹底的に高めているのも、居住性を大事にするユーザーには有難い配慮だ。