ホンダCR-Vの第6世代が2026年2月27日に発表し、試乗する機会があったのでお伝えしよう。
既報のように6代目CR-Vはグローバルモデルの位置付けで、タイで生産され北米、欧州などで発売しているモデルだ。その日本仕様がデビューした。ラインアップはFFとAWDで、いずれもe:HEVとなっている。
もともと2022年に北米でデビューした6代目CR-Vは、ビッグマイナーチェンジを経て今回の国内導入となっているが、その際、意匠、装備の変更のほかにハイブリッドシステムの変更とエンジンの変更も同時に行なっているのだ。



特にハイブリッドシステムでは、従来のe:HEVは高速域のみロックアップしてエンジン走行をしていたが、これを低速域にもロックアップ機構を入れてエンジン走行できるようになっている。その主な理由としては北米マーケットのニーズとしてトーインの要望があり、変更したと説明している。ちなみに、この低速、高速の双方にロックアップ機構がついたe:HEVは高級モデル向けとし、従来タイプも継続して搭載していく。
その結果、走りにどのような変化があるのか、お伝えしよう。
まず、グレードは「e:HEV RS」と上級の「e:HEV RS ブラックエディション」があり、e:HEV RSにはFFと4WDが選択できる。ブラックエディションは4WDのみで577万9400円となっている。
ディメンジョンは全長4700mm、全幅1865mm、全高1690mm(FF:1680mm)、ホイールベースは2700mmで、プラットフォームはZR-Vと共通のものを採用しているため、C+セグメントにカテゴライズされる。







エンジンは2.0L4気筒横置きでハイブリッドと組み合わせる前提で設計されているものだ。出力は148ps/183Nmで駆動モーターは135kW/335Nm。WLTC燃費は18.0km/L〜19.8km/Lとなっており、2タイプのモデルに共通のユニットだ。
さて、試乗して最初に感じるのはボディの剛性感と欧州テイストな乗り味だ。がっしりとしたボディの強さと体幹の強さが感じられ、とくに直進の安定感が強く伝わり安心感がある。北米のCR-Vと聞くとソフトな乗り心地をイメージするが、聞けば、北米用にはさまざまな仕向け地仕様が用意されており、国内に導入しているRSグレードは、こうしたスポーティな走りを後押しするようなフィールに仕上げているという。





その狙い通りに欧州テイストな乗り味は、ステアリングの座りの良さとか、アンジュレーションの影響をサスペンションでサバいていく作り込みなどが行なわれている。低速域でもロックアップをし、エンジン走行をする新しいe:HEVは、確かにエンジン音が少し聞こえている。
市街地から高速に入り120km/hの新東名高速を走行。アクセル開度に応じてエンジンの回転は上がり、それなりの音は聞こえてくる。スポーツモードにするとスピーカーからも音が発せられ、またセンタースピカーがダッシュボードにあるので、大きめの音が聞こえるような演出もされている。
e:HEV RSのブラックエディションには「ホンダセンシング360」が搭載されているので、車線変更を試す。ウインカーレーバーを押し込まず、軽く1秒程度押すと状況次第でレーンチェンジをアシストする機能が稼働した。さまざまな条件があるため、交通量の多い状況では作動しないケースもあるが、空いている高速ではージードライブだ。



高速を降りて箱根のワインディングを走ってみる。これがSUVとは思えない手応えがあるのだ。シビアすぎないステア応答と足捌きが見事にマッチしていて、気持ちよく旋回する。アジャイルハンドリング・システムも搭載しているが、それを感じることもなく素直にコーナリングしていく。まさにSUVであることを忘れさせるニュートラルなコーナリングを提供してくるのだ。
その気持ちの良い峠走りを感じさせる要素として、シートの座り心地があると思った。硬めのシートでサイドのホールド性もある。およそSUVのシートとは思えないほど硬質で、ホールド感があるので、アクセルを踏み込んでいいぞ、とシートが後押しをしているようなのだ。
その間、エンジンの音は聞こえ続けていて、昨今エンジンの音がしない、モータ走行に恩恵を感じることも増えたものの、ナチュラルなエンジンの音とクルマの動きを体験すると「クルマってこうだよな」という郷愁も含んだ納得をひとりゴチるわけだ。
さて、ロックアップ機構が低速、高速でも作動するその仕組みだが、実走行で切り替わりを感じることはなく、実にナチュラル。それでも先代のCR-Vに対して最大トルクが315Nmから335Nmに増え、しかも高速領域で出力がアップするトルクカーブになっているのだ。
さて、新型CR-Vのコンセプトは「感動・DYNAMIC」で、SUVだからという言い訳や諦めを一切排除し、究極のオールラウンダーを目指すとしている。試乗インプレッションでは、まさにそう感じさせる魅力ある走行フィールだが、ここから搭載技術を見てみよう。

まずはそのパワーユニットだ。2.0Lのアトキンソンサイクル4気筒エンジンは変わらないが、直噴エンジンとなり、環境性能、静粛性、ダイレクト感といったことに変化があり、またハイブリッドと組み合わせることが前提であるため、制御も作り込まれている。
そしてハイブリッドのモータは、従来のe:HEVはエンジンの駆動とモータを同軸上にレイアウトしていたが、新たらしいe:HEVはパラレルレイアウトに変更し、ロックアップ機構をクラッチによって切り替えてLOWとHIGHの2つのロックアップ機構としている。










そのため緩加速から登坂路といった状況では、一般的なシリーズ式だとモータで走行し、パラレル式だとエンジン+モータという状況で走る。しかしCR-Vはエンジンで登坂することになる。それと高速域は従来どおりエンジン走行という具合になるのだ。
4WDに関しては前後輪のトルク配分が先代は40:60で固定だったが、新型は50:50まで駆動配分が変わる設定になった。またシャシー関連ではパワーステアリングの制御変更と可変ステアリングギアレシオ(VGR)を採用している。リヤサブフレームではメンバーを閉断面構造として高剛性化し、周波数対応ダンパーを装備している。
ボディも曲げ剛性、各部指示剛性を向上させ、開口部の接合部には構造用接着剤を使い、リヤタイヤハウス前付近にスティフナーを追加するなどの改良が加えられている。
こうした改良により、乗り心地や剛性感、静粛性、そして操舵フィールに至るまで大幅な性能向上を果たし、スポーティな走りが楽しいSUVに仕上がっているのだ。
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