ホンダのアメリカ法人「アメリカン・ホンダモーター」は2022年12月1日、「CR-V」をベースとした新型燃料電池車(FCEV)の生産を2024年からオハイオ州メアリズビルの4輪車生産拠点「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」で開始すると発表した。
PMCは、少量生産に最適な生産設備を備えた工場で、熟練した技術者が持つ職人の技と革新的な先進生産技術の融合により、最高レベルでの品質とクラフトマンシップを発揮することができ、2代目NSXはこの工場で生産されていた。NSXの生産が終了したため、PMCは特殊な組み立て工程を必要とするFCEVの生産に適しており、新型FCEVの2024年からの生産を担うことになる。
新型FCEVは、今年夏にアメリカで発表された新型「CR-V」をベースに開発され、FCEVならではの短時間で水素を充填でき長距離走行できる特長に加え、家庭や街中で充電できるプラグイン機能を追加したモデルとなる。
ホンダは、走行時に水しか排出しないFCEVを究極の環境車と位置づけ、1980年代後半から研究開発を行なっており、2002年には「FCX」が、FCEVとして世界で初めて米国環境保護庁およびカリフォルニア州大気資源局認定を取得し、日本と米国でリース販売を開始している。2008年には「FCXクラリティ」、2016年には「Clarity Fuel Cell(クラリティ フューエル セル)」のリース販売をそれぞれ開始するなどの経験を積み重ねてきている。
ホンダは2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、2040年に4輪車におけるEV、FCEVの販売比率100%を目指しており、この新型燃料電池車も、目標実現に向けた取り組みの一環となっているのだ。