ホンダ「シビック e:HEV」試乗記 ワインディングが気持ちイイ!爽快ハイブリッド

2021年8月に発表された11代目シビックにハイブリッドの「e:HEV」がラインアップに加わり、試乗してきた。e:HEVモデルの技術詳細は既報しているので、そちらをご覧いただきたい。今回も八ヶ岳エリアでの試乗で、ワインディングを爽快に駆け抜ける気持ちのよいテストドライブが体験できた。

ホンダ「シビック e:HEV」プレミアムクリスタルブルー・メタリック

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気持ちよく感じる要因のひとつに、パワートレインが挙げられる。新設計された4気筒2.0Lエンジンは、熱効率41%という世界トップクラスの高効率エンジンになり、モーターとの組み合わせ領域が拡大したことにより、気持ちよさにつなげていると感じられた。

このご時世だから燃費も含め環境性能を上げていくエンジン制御になるが、熱効率のよい領域の広さ次第なところがある。

というのは、ホンダのハイブリッドはシリーズ、パラレルの双方できるタイプだが、走行中に充電量やアシスト量が不足するとエンジンが仕事をする。するとアクセル開度=要求トルク以上にエンジンの回転が上がり、加速感と速度がリンクしない状況になるが、熱効率の高い、高効率エリアが拡大したことにより、エンジンのどの領域でも十分な充電やアシストができるために、空転感といったネガがなくなったからだ。

低燃費はもちろん排気ガス規制も見越している新開発のエンジン

だからドライブフィールは、リニアに感じられ、静かで力強く走っていると感じるわけだ。さらにワインディングでは無用にEV走行しないように、ワインディング判定を行ないエンジンのダイレクト感を得ながら走ることができ、モーターはアシストにまわり、応答遅れのないスムースな加速をするのだ。また減速回生ではパドルシフトで段階的に減速Gが変化するので、強めの減速Gも得られてよりスポーティに楽しく走行できる。

こうしたエンジンとモーターのコンビネーションが織りなす出力、トルクによってドライバーは楽しくワインディングを走行できるのだ。

e:HEVはエレクトリックギアセレクター(ボタン式)を採用

そしてワインディングでのハンドリングにも気持ちよさがある。賢いパワートレインから得たパワーを受け止めるシャシーは、まずドラポジが低く視界のよいフロントウインドスクリーン越しにコーナーが見え、ステアと同時に車両のセンターを中心に旋回するヨーモーメントを感じる。さらに高いライントレース性を見せながらコーナーを駆け抜けることができる。

シートのポジションも気に入ったが、座り心地も低反発なウレタンで体にフィットする。やや太めのステアリングの握り心地も良く、ハンドルの戻しもリニアに感じられタイヤを持って操舵している気分になる。

コーナー入り口ではブレーキをじわりと戻し、じわりとステアを開始する。コーナリング中の4輪の接地感の高さ、ボディの中心で旋回する横G、素早く反応するパワートレイン、そして高いボディ剛性からくる安心感、アクティブサウンドコントロールによる音の快感をえながら気持ちよくコーナーを脱出する。

八ヶ岳のワインディングを爽快にドライブ中

乗り心地のしなやかさやしっとり感もあり、質感の高い走りを楽しむことができるのだ。ただ、ハーシュネスは高めで伸び切らずに接地するのか、ドンという入力は感じる。また動き出しは滑らかでいいのだが、アクセル開度よりもトルクを出すギミックな制御には不満が残った。もう少しリニア方向な動き出しでいいと思う。

室内の静粛性も高い。開発責任者の山上智行さんに聞けば源流対策をしているという。つまり、遮音材や吸音材を使用する前に、音の発生源であるポイントに対策を施すことであり、例えばエンジンブロック剛性、オイルパン剛性、そしてクランシャフト剛性を上げ振動元の潰し込みをしているという。

さらにアクティブノイズコントロールで不快な音は消す方向で、心地よい音域はアクティブサウンドコントロールで聞かせる方向のチューニングを行なっている。こうした音の工夫と部品への対策により、静粛性の高い室内になっている。

10.2インチフルカラー液晶パネルにはe:HEV専用のパワーメーターを備える

新型CIVICの販売のメインは、ミッドサイズにまでサイズアップしているように、言うまでもなく北米で、セダンだがトヨタ・カムリが視野に入るゾーン。北米でのシビック人気は従来から高く、販売ランキング上位に入るモデルであり、ホンダにとってはC-RVと並んで屋台骨のモデルでもある。ボディサイズは全長4550mm、全幅1800mm、全高1415mm、ホイールベース2735mmとなっている。

e:HEVはドアミラーのカラーがブラック塗装になる

そして新型CIVICのターゲットはZ世代としている。その意味するところは溢れる情報の中で、自分に必要な情報を見極めている世代であり、本質を見極めることができる世代とマーケティングしている。モノの本質を見極め、自分にフィットする価値観をもっているというわけだ。また、デジタルネイティブだからこそ、先にモノの情報を得て、そこからリアルに触って、本質を感じ取るということをすると分析している。

果たしてリアルに歩み寄ってくるのか?興味深いところではある。実際の販売初動では50、60代が中心で20代、30代はガソリン車を選ぶ傾向にあるという。これは価格面が影響しているようにも感じるが、この先の動きも気になるところだ。ただ、リアルをみれば、走りの楽しさ、スタイリングの良さなどは伝わるだろうし、デジタル上では得られない魅力があるのは間違いない。

追記:2021年9月にガソリンモデルを試乗した時は40km/h以下付近ではひょこひょこした動きがあり、足の硬さが気にあるというレポートをしているが、実は、ダンパーの馴染みができていない状態だったようで、今回、短時間だがガソリンモデルのMT、CVTに試乗したが、いずれもe:HEVに共通するしなやかさは感じられた。


The Mortor Weekly

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