FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参戦を計画しているホンダ・シビックWTCCがサーキットでのテスト走行を開始した。チーム活動を担当するイタリアのJ.A.S.モータースポーツの近くにあるヴァイラノ・サーキットでシェイクダウンテストを行い、2012年7月31日〜8月1日の2日間にわたりローマ近郊のバレルンガ・サーキットでテストを行った。
ホンダ・シビックWTCCのテストは今後も続行され、10月19日〜21日に鈴鹿サーキットで開催されるシリーズ第10戦にティアゴ・モンテイロが1台で初出場する。参戦計画の概要は既報の通り。その後の第11戦(上海)、最終戦のマカオの合計3戦に出場する。
2013年からはドライバーとしてガブリエーレ・タルクィーニも加わり、2台体制でのフル参戦を計画している。
参戦マシンのシビック・タイプR(ヨーロッパ仕様)は、J.A.S.モータースポーツで製作されたが、風洞テストを入念に行い、空力性能を熟成し、Cセグメントの5ドア・ハッチバックとしては最高レベルに仕上げられているという。
エンジンは、このレースのために専用開発された1.6L・4気筒・直噴ターボのHRE412E型エンジンを搭載する。このエンジンは本田技術研究所・4輪R&Dセンターで設計、開発が行われた。このエンジン名称は、ホンダレーシング・4気筒・2012年型を意味するという。
WTCCエンジン開発のプロジェクトリーダーである堀内チーフエンジニアは、「今回開発したHR412E型エンジンは、量産エンジンと同様にさらなる高効率を目指すというコンセプトのもとで、ピークパワー性能と優れたドライバビリティを妥協なく両立させ、これからのホンダの高性能レーシングエンジンの先駆けとなる存在です」と語っている。