ホンダの研究開発子会社である本田技術研究所は、交通事故ゼロ社会の実現に向けた自動運転技術の確立を目指しているが、このたび、人工知能(AI)技術に強みを持つ中国香港のSenseTime Group Limited(以下「SenseTime社」)と、5年間に渡る共同研究開発契約を締結した。
SenseTime社は、AIの最先端技術のひとつであるディープラーニングを用いた画像認識、特に移動体を認識する技術を得意とする企業で、世界で高い評価を受けている。
今回の共同研究開発では、SenseTime社がもつ「移動体認識技術」と、Hondaが有する「シーン理解」「リスク予測」「行動計画」といったAIアルゴリズムの融合が目指されている。これにより複雑な交通状況の市街地でも走行を可能にする、より高度な自動運転技術の開発が行なわれることになる。
また本共同研究開発の領域は、自動運転のみならず、今後ロボティクスにも拡大していく予定だ。
【共同研究開発の領域】
●自動運転システムへ適用するAIアルゴリズム
– シーン理解:走行環境と歩行者や車両の振る舞い・意図を推定
– リスク予測:走行環境と意図推定結果に基づく歩行者・車両の将来位置を予測
– 行動計画:リスク予測に基づき、停止・発進・回避などの自車の行動判断と走行軌道を生成
●AIアルゴリズムを学習するための大規模計算技術
●AIプログラムを車載コントローラーへ実装する技術
【SenseTime社概要】
正式名称:SenseTime Group Limited (漢字名:商湯集團有限公司)
本 社:中国香港
事業内容:ディープラーニング技術を応用したサービスの企画・開発・運用
代表者:Xu Li (漢字名:徐 立)
設立:2014年10月
実績:スタンフォード大学をはじめ、複数の大学で共同開催している画像認識技術の競技会・ImageNetで、2015年度と2016年度に優勝