ホンダ・レーシング(HRC)とアストンマーティン・フォーミュラワン・チームは2026年1月20日、F1グランプリ・シーズンに先立ち、F1世界選手権の2026年シーズン参戦に向けての体制や取り組みを説明した。

発表会で登壇したホンダの三部敏宏社長は、「世界最高峰レースのF1への参戦は、『世界一にこだわれ』、『最も困難なものへ挑戦せよ』という創業者の本田宗一郎の精神を体現するもので、ホンダが大切にしてきた挑戦への姿勢の原点である」と語った。

2026年のF1は、パワーユニットのモータ出力が従来の3倍になり、エンジン出力とモータ出力は50:50となること、そしてサスティナブル燃料を使用するなど、従来のルールから大きく変化し、電動・脱炭素トレンドに合わせたモータースポーツへと進化していく。

そして三部社長は、この日が世界初公開となる新パワーユニット「RA626H」と、鮮やかなグリーンをまとうアストンマーティンのF1マシンを披露した。

F1マシンのフロント部には、新デザインの「H」マークが貼られているのが印象的。そして、パワーユニットに使用されるのはAramco(アラムコ)製のサステナブル燃料、エンジンオイルはValvoline(バルボリン)から供給される。
フォーミュラワン・グループのプレジデント兼CEO、ステファノ・ドメニカリ氏が登壇し、「日本のF1は、2025年は26万6000人が来場するなど盛り上がりをみせている。まさにこれ以上ないタイミングでホンダがF1に戻ってくることにわくわくしている」とコメントした。


そしてアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームのエグゼクティブチェアマン、ローレンス・ストロール氏は、「これ以上すばらしいパートナーシップは考えられない。われわれは互いに多くの価値観を共有しており、勝利をつかむために必要なすべての要素がそろっていると確信している。英国のシルバーストーンに新設したテクノロジーセンターが完成し、私たちの組織はこれまでにないほど強化されている。
新しい風洞設備はすでに開発に大きく貢献しており、現在はさらなる強化に向けてデータセンターの建設も進めている。将来の成功を常に念頭に置きながら、たゆまぬ努力を続けている。決して簡単な道のりではないが、ファンの皆さんもぜひ応援してほしい」とスピーチした。
2026年のF1 グランプリは激変
2026年シーズンからF1マシンの規則は大きく変更され、マシンのホイールベースは200mm短縮されて3400mmとなり、全幅は100mm縮小されて1900mm、フロア幅は150mm削減され、最低重量は30kg減の770kgと、小型化、軽量化される。
また。リヤ床面のグラウンドエフェクト用ディフューザーが廃止され、総ダウンフォースが大幅に低下する。そしてリヤウイングのDRS(ドラッグ・リダクション・システム)も廃止され、可動式のフロントウイングおよびリヤウイングは高ダウンフォース仕様と低ダウンフォース仕様の切り替えが可能となり、追い抜き時などで追加のダウンフォースとスピードを得られる。空気抵抗は最大で約40%削減されるため、最高速度は大幅に向上することになる。
タイヤ・サイズは、18インチ径に変更はないが、フロントタイヤは25mm狭く、リヤタイヤは30mm狭くなりグリップ力は抑制される。
ハイブリッド・パワーユニットは出力の配分が変更になり、内燃エンジン出力が50%、モータ出力が50%となり、モータ出力は最大350kW(476ps)と決められている。そのため、トータル出力は952psとなる。そしてエンジンの使用燃料は100%サスティナブル燃料に限定される。
また、エンジン圧縮比、クランクシャフトの基本諸元などは各チームで共通化されており、競争領域は狭まっている。また、2026年2月に全エンジンの設計が凍結され、原則としてシーズン中の大幅な設計変更は許されないという厳しい条件が付けられている。
このため、サスティナブル燃料の燃焼性能、エンジン内部の低摩擦化などが重要な競争ポイントとなることが予想される。
このように近年では見られなかった大きなマシン規則変更を受け、2026年シーズンにはアウディ、キャデラックが新規に参戦する。また、レッドブル・チームは新たにフォード製のパワーユニットを採用する。
この他に、従来はトップレベルのチームとはいえなかったハース・チームはトヨタGAZOOレーシングの全面的な支援を得てトップ・グループに挑むなど、大きな地殻変動が起きており、ホンダのパワーを得たアストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チームにとっても競争激化のシーズンとなるだろう。













