ホンダは2025年12月16日、持分法適用関連会社であるグローバル・サプライヤーのAstemoの株式を日立製作所から21%相当を追加取得し、連結子会社とすることを決定したと発表した。
Astemoは2021年1月に、日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワおよび日信工業の4社の経営統合により発足した。
2023年10月にはJICキャピタルを新たな共同パートナーとして迎え入れ、出資比率を現在のホンダ40%、日立40%、JICC20%に変更している。
AstemoはEV向けのeアクスルや、サスペンションのほか自動運転・運転支援システムも開発しており、高いソフトウェア開発力を強みとしながら、先進分野への投資を加速し持続的に成長していくとともに、グローバルメガサプライヤーとしての地位を確立することを目指していた。
現在、自動車業界を取り巻く環境は激しく変化し、特にモビリティの価値が従来のハードウェアを主体としたものから自動運転や無線更新で機能を高められる技術などを含めたソフトウェアディファインドビークル（SDV）へと変化していく流れは今後も加速していくものと見られ、ホンダはSDV開発力やコスト競争力の向上に一層のスピード感をもって取り組んでいる。
ホンダにとってAstemoはハードウェアのみならずソフトウェアにおいても高い技術を持つ重要なパートナーであり、SDV開発やコスト競争力において、ホンダがさらなる向上を目指すうえで、同社の成長は欠かせないものと考えられた。
そして激しい環境変化の中で、AstemoがSDV時代に必要となるAIやソフトウェアを高効率かつ高速で開発できる体制の構築を推し進めるために、ホンダが親会社としてその変革をリードすることが必要と考え、日立から21%相当の株式を約1523億円を投じて追加取得し、Astemoにおける出資比率をホンダ61%、日立19%、JICC20%に変更することに合意した。
今後、法令などに基づき必要な許認可の取得を経て、2027年3月期第1四半期中に株式の取得を実施する予定となっている。
ホンダは、新たに親会社となりAstemoの新規株式上場を視野に入れたグローバルサプライヤーとしての成長をリードするとしている。
