【ホンダ】世界初!ホンダジェットが持続可能な航空燃料での試験飛行に成功

ホンダの航空機事業子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー(ノースカロライナ州)」は2025年10月14日、同社が開発・製造している「ホンダジェット」が、ベリーライトジェットカテゴリー内のツインエンジンジェット機として世界で初めて、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用した試験飛行に成功したと発表した。

CO2削減、カーボンユートラルを目指す航空機は、重いバッテリーを搭載する電動化は困難なため、ジェットエンジン用の燃料としてサスティナブル・アビエーション・フュエル(SAF)の採用が現実化しつつある。SAFは動植物油由来の燃料や天然ガスなどを原料に水素化、脱炭素化を行なった合成燃料がある。

SAFの利用は米国材料試験協会(ASTM)による認可制となっており、既存のジェット燃料へSAFを混合できる含有率の上限が定められている。現在の上限は50%であるが、今回の試験により、今後のSAFの進化・普及に向けて、100%SAFを使用できる可能性を確認することができた。

ホンダジェットはすでに最大50%のSAF混合燃料による運航実績があり、また、合弁会社のGE Honda Aeroは2022年、2023年に、ホンダジェットに搭載されているHF120エンジンを用いた100% SAFによる地上試験を完了している。

今回の試験飛行では、100%SAFをホンダジェットに使用した場合の影響を既存のジェット燃料と比較し評価した。SAFには、HEFA-SPK(動植物由来の油を水素化処理して合成される航空用燃料)とHDO-SAK(水素化脱酸素処理を施した合成燃料)を混合した100%のSAFを採用し、ホンダ エアクラフト カンパニーの本社があるノースカロライナ州グリーンズボロ周辺を飛行した後、ピードモント・トライアド国際空港に着陸した。その結果、通常のジェット燃料を使用した場合と同等の飛行性能が確認されたという。

ホンダジェットは独自の機体設計により、同クラスで最も燃費効率の良いビジネスジェット機として評価されており、ホンダ エアクラフト カンパニーは2024年10月に全米ビジネス航空協会(NBAA)より「Sustainable Flight Department Accreditation(持続可能な飛行部門認証)」を取得している。

また、ホンダは、SAFの安全性を評価し規格化の支援を行なう国際団体(FAA/OEM Review Panel)に加入しており、SAFの安全性向上と普及に向けて活動している。今後も持続可能な空の移動を実現するため、業界をリードしていくと宣言している。

ホンダ エアクラフト カンパニー 公式サイト

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