ホンダとヤマト運輸は2023年10月19日、軽商用EV「MEV-VAN Concept（エムイーブイバン コンセプト）」を使用し、交換式バッテリーを使用して軽EV（電気自動車）の集配業務における実証を2023年11月から開始すると発表した。なお、交換式バッテリーの電力には再生可能エネルギー由来電力を活用する。
ホンダはカーボンニュートラルの取り組みのひとつとして、電動2輪車で交換式バッテリー「Mobile Power Pack e:（モバイルパワーパック イー）」を用いて電動モビリティの拡充を図るほか、再エネ電力の利用拡大を進めている。
また、ヤマトグループは、「2050年温室効果ガス自社排出量実質ゼロ」、「2030年温室効果ガス自社排出量48%削減（2020年度比）」の実現に向けて、EVを2万台導入し、太陽光発電設備810基を導入する。さらにCO2を発生させるドライアイス使用量ゼロの運用構築、再エネ電力の使用率を全体の70%まで向上させるという主要施策の取り組みを進めている。
両社は、2023年6月から、ホンダが2024年春に発売を予定している新型軽商用EV「N-VAN e:（エヌバン イー）」を用いた集配業務における実用性の検証実証を進めてきている。
一方、EVを導入するうえでは、充電による待機時間や、夜間の一斉充電による電力使用ピークの偏りなど、さまざまな課題があり、交換式バッテリーの有用性が期待されている。
今回の実証で使用するホンダのMEV-VAN Conceptは、交換式バッテリーのモバイルパワーパック8本を搭載した電動パワーユニットで走行する軽EVのコンセプトモデルだ。
日中に太陽光で発電した再エネ電力で充電した交換式バッテリーを使用することで、充電による待機時間の削減や電力使用ピークの緩和など、より効率的なエネルギーマネジメントの実現を可能にする。
実証実験では、バッテリーレイアウトを含む集配業務における車両の使い勝手や、航続可能距離などバッテリー交換作業と現場オペレーションの両立性を検証。また、登坂時や積載量の多い場合など、集配業務におけるさまざまな条件下で必要とされる動力性能の検証も行なう。
さらにこの実証実験では集配業務を通じたバッテリーの耐久性の検証、日々の集配業務における車速、アクセルやブレーキなどドライバーの運転操作や、空調による電力消費量、走行後の充電量や充電時間帯などの各種基礎データの取得、複数のEV運用を想定した充電オペレーションとエネルギーマネジメントの実現性も検証する。
なおこの実証実験に使用する「MEV-VAN Concept」は「ジャパンモビリティショー 2023」のホンダブースで展示される。
