「ソニー・ホンダモビリティ」設立 エンタメ&自動運転EVは25年受注スタート

ソニーとホンダにより新たなEVを開発する合弁プロジェクトは今年春に協議がスタートしていたが、2022年10月13日に新会社「ソニー・ホンダモビリティ」が設立され、発表会が開催された。発表会には、ホンダ出身の代表取締役会長の水野泰秀CEO、ソニー出身の代表取締役社長の川西泉COOが出席し、新会社のビジョンをプレゼンテーションした。

川西泉COO(左)と水野泰秀CEO

ソニー、ホンダの出資比率50:50で誕生した合弁会社のソニー・ホンダモビリティは、新型車の企画・設計を担当し、ホンダが委託生産を担当するという役割分担となっている。ソニー・ホンダモビリティのミッションは、新たな、高付加価値を持つプレミアムEVを開発することだ。

そして新開発されるEVは、2025年前半に先行受注が開始され、2025年後半に発売を開始。車両のデリバリーはアメリカで2026年春頃、日本では2026年後半となるという計画となっている。製造はホンダが行なうが、製造工場はホンダのアメリカの工場、つまり最近ホンダから発表されたオハイオ州の新EV拠点工場が想定されている。

新型EVのビジョンは、Autonomy(進化する自律性)、Augmentation(身体・時空間の拡張)、Affinity(人の協調、社会との共生)を目指すことだという。

当然ながら自動運転技術を搭載し、高速道路でのレベル3の自動運転、郊外路などでのレベル2+の高度運転支援システムを実現するクルマとしている。

こうした先進技術のベースとなる電子プラットフォームは、クラウド常時接続、テレマティックス、インフォテイメント、マン・マシン・インターフェース、自動運転システムなど多くのカテゴリーの電子技術を統合制御するメインECUが想定され、800TOPS(1秒あたりの演算性能。Tは10の12乗のテラを意味する)を持つ2つのSoC(System on a Chip)を搭載し、5Gでの通信能力も備えるという。

発表会の最後に映像が流され、「January 4, 2023 in Las Vegas」と表示され、来年初頭にラスベガスで開催される「CES 2023」で車両のコンセプトモデルが発表されると推測できる。

また、新型車両の発売時期、デリバリーなどから考えると、ソニー・ホンダモビリティが送り出すEVモデルは、GMとの協業によるアルティウム・プラットフォームではなく、ホンダが独自に開発に着手している次世代EVプラットフォーム「Honda e:アーキテクチャー」が採用されると推測できる。

なおソニー・ホンダモビリティが開発するEVは、高付加価値を持つプレミアム・クラスのEVであり、他自動車メーカー製とは差別化され、音楽、ゲーム、メタバース技術などエンターテイメントを拡充させたクルマと想定される。したがって価格的にも輸入プレミアムカーなみになり、また同時に多様なエンターテイメント・サービスに対して利用料を支払うような利用形態になるだろう。

またソニー・ホンダモビリティの販売スタイルは、オンライン販売で行なわれることになっている。

ソニー・ホンダモビリティ 公式サイト

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