ホンダは2021年10月13日、従来の安全、運転支援システム「ホンダ センシング」をさらに進化させた新たな全方位安全運転支援システム「ホンダ センシング 360」を発表した。この新システムは名称通り従来からの前後方向のセンシングの範囲を、死角をなくす360度の全方位に広げ、交通事故の回避やドライバーの運転負荷軽減をサポートする。
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新「ホンダ センシング360」は、現行のホンダ センシングの広角単眼カメラに加え、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを新たに装備し、360度センシングを実現する。
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これにより、従来の運転では目視での確認が難しかった車両周辺の死角をカバーし、他の車両や歩行者との衝突回避や運転に伴うドライバーの負荷の軽減をサポートできることになる。このシステムの開発では自動運転レベル3技術の研究開発で培われた知見やノウハウも生かされているという。
進化した衝突安全ブレーキ
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一般道の交差点などで右左折をする際に車両や歩行者を検知し、接触の危険性がある場合は、衝突軽減ブレーキ(CMBS:Collision Mitigation Braking System)が作動。検知範囲を前方から全方位に広げることで、交差点の出合い頭における衝突回避・被害軽減を支援する。
前方交差車両警報
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一般道の交差点などで低速走行をしているとき、あるいは停車状態から発進をする際に、左右前方から接近する交差車両の情報をドライバーへ通知。自車と交差車両が接触する危険性がある場合は、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避の運転操作を促す。
車線変更時衝突抑制機能
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車線変更をする時、後方から接近する隣車線の車両との衝突回避を支援する。ミラーの死角から近づく後側方車両との接触の危険性がある場合、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避のためのハンドル操作を支援する。
車線変更支援機能
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高速道路や自動車専用道で、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)と車線維持支援システム(LKAS:Lane Keeping Assist System)が作動中に一定の条件を満たした状態でドライバーがウインカー操作をすると、システムが車線変更に合わせてハンドル操作を支援する。
カーブ車速調整機能
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高速道路や自動車専用道でACCが作動中にカーブを走行する時、適切に車速調整を行なう。フロントカメラによってカーブ手前で車線の曲率を前もって読み取り、ドライバーにとってスムーズでなめらかなカーブでの走行を支援する。
この新しい「ホンダ センシング360」は2022年に中国で発売する4輪車から開始し、2030年までに先進国で発売する全モデルへ展開する計画となっている。