【ホンダ】搭載車種サイズごとに異なるハイブリッドシステムを開発 小型車用SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Driveを新開発

アースドリーム・テクノロジーの一環として展開する3タイプの新世代ハイブリッドシステム

2012年11月13日、ホンダは走りと燃費を高次元で両立させる新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY(アース・ドリームス・テクノロジー)」の一つとして、小型車に最適な1モーターの軽量コンパクトなハイブリッドシステム「SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive(スポーツハイブリッド・インテリジェント・デュアルクラッチドライブ)」を新たに開発したと発表した。

この新タイプのハイブリッド・システムの登場で、中型車に最適な2モーターを採用した世界最高の「SPORT HYBRID Intelligent Multi Mode Drive(スポーツハイブリッド・インテリジェント・マルチモードドライブ)」、大型車に最適な3モーターを採用して左右の駆動力を自在に制御する「SPORT HYBRID SH-AWD(SPORT HYBRID Super Handling – All Wheel Drive:スポーツハイブリッド・スーパーハンドリング・オールホイールドライブ)」と合わせて、クルマの特性に合った3タイプのSPORT HYBRIDシステムをラインアップすることになる。

SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Driveを採用する次世代シビック(画像は中国仕様のシーモ)

SPORT HYBRIDラインアップ

●1モーター式の「SPORT HYBRID Intelligent Dual Clutch Drive」

1.5Lクラスでトップレベルの燃費に加え、従来モデルを超える力強い加速Gと、伸びのある加速感により、スポーティな動力性能を実現。新開発の直列4気筒1.5Lアトキンソンサイクルエンジンに、高出力モーター内蔵の7速DCTとモーター駆動用のリチウムイオンバッテリーを組み合わせ、従来型の1モーターハイブリッドシステムに比べて、30%以上の効率向上を実現するドライブユニット。

システムの作動は次のようになる。
加速時、高速クルーズ時はクラッチを接続し、1モーター+エンジンによるスポーティな走りを実現 。発進時、低・中速クルーズ時はクラッチでエンジンを切り離し、高効率なEV走行を行う。 減速時もクラッチでエンジンを切り離し、エネルギー回生を高めることで燃費の向上に寄与する。これまでのホンダのパラレル式ハイブリッドはクラッチを装備していなかったが、新システムではクラッチを装備することでエンジンの停止を自由に行うことができるようになったわけだ。

●2モーター式の「SPORT HYBRID Intelligent Multi Mode Drive/Plug-in」

このシステムは高効率、大出力の駆動モーターを採用し、EV特有の軽快で力強い加速感と、高い燃費性能の両立を狙う。このシステムでは新開発のハイブリッド専用エンジンと、2モーター内蔵のエンジン直結クラッチ付き電気式CVT、リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、走行状況に応じて3種のドライブモードを切り替えることで、世界最高効率を実現するという。プラグインハイブリッド車用としても適した本システムはアメリカ市場で「アコード」に搭載し、2013年年1月から販売を開始する。

システムは以下の3種のドライブモードを運転条件やバッテリー残容量に応じて切り替える。
EVドライブ:バッテリーの電力によりモーター駆動で走行し、減速時には回生を行う。
Engineドライブ:中・高速クルーズ時には低伝達フリクションで高効率なエンジンにより走行する。
Hybridドライブ:市街地走行や強い加速が必要な時には、エンジンで発電してモーター駆動で走行する。

3モーター式のSPORT HYBRID SH-AWDを採用するアキュアラRLX

●3モーター式の「SPORT HYBRID SH-AWD(SPORT HYBRID Super Handling – All Wheel Drive)」

V型6気筒エンジンに高出力な3モーターシステムを組み合わせ、V型8気筒エンジンと同等の加速性能と、直列4気筒エンジン以上の低燃費を同時に実現ずる。車体前部に新開発のV型6気筒3.5L直噴エンジンを搭載し、新開発の1モーター内蔵7速DCTを組み合わせる。そして車体後部に搭載した2個のモーター駆動によって、左・右後輪のトルクを自在に制御し、燃費と走りを高次元で両立させたスーパーハンドリング・システム。

システムの作動は、左右後輪の独立のモーターを、外輪はプラスのトルク、内輪はマイナスのトルクというトルクベクタリングを行うことでエンジン出力に依存せず、後輪トルクを自由自在に制御することが可能。コーナーの大きさに応じて、内輪で発生したエネルギーを電気的に回収して外輪に与え、クルマの旋回に必要な力を自ら生み出すトルク制御を採用。前輪駆動は、1モーター式と同様の駆動システム。

このような3種類のハイブリッドシステムを開発したことで、ホンダはB、CセグメントからDセグメントまでハイブリッド・システムを展開できることになり、ハイブリッドシステムを前面に押し出した商品戦略を行っていくことが明らかになった。

ホンダ公式サイト

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