ホンダは2012 年9月27日、「CR-Z」をマイナーモデルチェンジ。9月28日から発売した。今回の改良では国内のホンダ車のハイブリッドカーでは初となるリチウムイオンバッテリーの採用によるモーター出力の向上や、力強い加速を瞬時に実現する「PLUS SPORTシステム」を搭載するなど、走行性能と燃費性能をさらに進化させた。
まずはリチウムイオンバッテリー(写真上)の搭載で、従来型のニッケル水素バッテリーに比べて約1.5倍の電圧を発生。ニッケル水素電池と同等以下の体積・重量でありながら、モーターの最高出力は10kW(14ps)/1500rpmから15kW(20ps)/2000rpmに向上している。
さらに、力強い加速を瞬時に実現できるPLUS SPORTシステムを採用。これはステアリングに追加されたボタンを走行中に押すことで作動し、エンジン出力とモーターブースト効果を最大化するというものだ。なお作動するためには車速が30km/h以上でバッテリー容量が40%以上、かつステアリングが一定の舵角内であるなどの条件が前提となっている。
また1.5Lの i-VTECエンジンについても改良されている。ピストン形状の変更や低粘度エンジンオイルの採用、燃料ポンプの省電力化で燃焼効率を改善。さらに高強度クランク材などの採用で特に高回転(5400rpm以上)での出力・トルクを向上。6速MTは120ps、CVTモデルは118psとパワーアップされ、特性として高回転型にシフトしている。なお最大トルクに関しては、6速MT車/CVT車ともに従来と同じ数値となっている。
さらに発電頻度の低減、CVTの効率向上、シャシーへのハイテン材多用の促進、前輪のロアアームを鍛造アルミ製とするといった燃費改善策がとられている。その結果、出力を向上させながらも6速MT車は従来同等の20.6km/L(JC08モード、以下同/17インチ車は19.4km/L)をキープし、CVT車は従来を0.2km/L上回る23.0km/L(17インチ車は21.6km/L)を達成した。
エクステリアではLEDポジションランプが従来の2倍となる8連タイプとなったほか、新デザインのフロントバンパーを採用。さらにグリルのメッシュ部分の塗装色をツヤのあるブラックに変更するとともに、周囲にブルーメッキの加飾が施されている。リヤのディフューザー部のデザインもフロントに合わせて変更されている。
なお今回、最上級グレードとして「α Master label」を追加。黒艶塗装の軽量17インチアルミホイールをこのMaster labelとαに採用した。この17インチ仕様ではフロントのスタビライザー径を1mmアップし、ダンパーの減衰力も変更。スポーティなハンドリングと乗り心地を高次元で両立したとしている。
ボディカラーは全7色で、プレミアムノーザンライツバイオレット・パール(写真上右)がαとαMaster label用の新色。プレミアムエナジェティックイエロー・メタリック(写真上左)とポリッシュドメタル・メタリックも新たに設定された。インテリアカラーは全2色で、ブラック×レッドはαMaster label専用となっている。販売計画台数は450台(国内・月間)。