2016年6月13日、ダイハツは軽自動車の新型商用車「ハイゼット キャディー」を発表し、同日から発売した。ハイゼット キャディーは従来の商用モデルのような後輪駆動ではなくFF駆動とし、乗る人が働きやすいという新たな価値観を追求している。
従来の軽商用車は、フロントシート下にエンジンを縦置き配置し、後輪を駆動するFR方式だ。このレイアウトにより、フロア高は高くなるが前後長は軽自動車規格内で最大限に追求することができる。しかし、シート下にエンジンがあるため、騒音などはFF乗用車に比べ厳しく、また燃費も乗用タイプのレベルには達していない。
ダイハツは軽自動車の商用車ユーザーを調査したところ、荷物の積載量より室内の静かさや、足元の広さ、運転のしやすいさといった要件より、高い安全性を求める声が大きくなっており、乗用タイプの軽自動車を商用に使用する人も少なくないことがわかったという。
このため、商用車でも荷物優先のクルマ作りではなく、人の働きやすさの追求へと発想を転換し、新たなFF駆動方式の商用車「ハイゼット キャディー」を開発した。開発のキーワードは「はたらく 楽ラク」だ。軽商用車としては初となるカメラ+レーザーレーダー+ソナーを組合わせた衝突回避支援システムの「スマートアシストⅡ」を設定し、ABSやVSCは全車標準装備としている。
ハイゼット キャディーはFFパッケージを採用することで地上高360mmという低床フロアとし、シート高さは750mmと乗り降りしやすい高さにし、広く使いやすいキャビンを実現。さらに低燃費技術の投入や、操縦安定性、乗り心地を追求し、従来の商用車の常識を破っている。
エンジンはKF型658ccを搭載。52ps/60Nmの自然吸気版と64ps/92Nmのターボ仕様をラインアップ。トランスミッションはCVTのみ。4WDモデルも設定されている。なおJC08モード燃費は自然吸気車は25.0km/L、ターボ車は22.4km/L。
シャシーでは、乗用車系と同様にサスペンションにウレタン製バンプラバー、スタビライザーを標準装備し、ふらつきを抑えた安心感のある操縦性、快適な乗り心地としている。