【ダイハツ】目指したのはヨーロッパBセグメントのエモーショナルな走り 新型「COPEN」の採用技術を発表

COPEN
東京モーターショーに市販状態に近いで出展されたプロトタイプ「KOPEN」

2014年4月1日、ダイハツは、6月に発表予定の新型軽自動車のオープンスポーツカー「COPEN(コペン)」に採用する新技術についてその詳細を発表した。なお2013年の東京モーターショーではすでに「COPEN」はプロトタイプ「KOPEN」として出展されている。新型「COPEN」の価格は200万円、つまり初代COPENとほぼ同等の価格を目指しているという。

新型COPENは経済性や扱いやすさなど軽自動車本来の価値観に加え、軽自動車ならではの資質を生かしたライトウエイトスポーツカーをめざしている。それはダイナミクス、走行性能、そして新しい価値とカタチによる、つまりユーザーカスタマイズが容易にできることを目指して開発し、骨格+樹脂外板という新しい構造を採用している。

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新型「COPEN」の土台となる新骨格構造「D-Frame(ディーフレーム)」は、スポーツカーとして求められるボディ剛性を骨格のみで確保することで、外板の素材やデザインの自由度を飛躍的に向上させている。もちろんこの設計要素は次世代のダイハツの軽自動車にも全面展開すると予想できる。

内外装の着脱構造「DRESSFORMATION(ドレスフォーメーション)」は、車両の外板部分をパーツと捉え、樹脂外板を採用することで、ユーザーに合わせたデザイン選択を可能にしているのが画期的だ。

なお新開発の「D-Frame」や「DRESSFORMATION」など新しい価値とカタチの実現を目指し、専任チームを編成し開発を行なったという。「D-Frame」を実現するため初代コペンの骨格を前に、チームであるべき構造を検証し問題点を把握しながら図面化することで、従来よりも開発リードタイムを短期化したという。さらに骨格のみで高い剛性を確保する新たな構造を実現したという。

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■新骨格構造「D-Frame」
フレーム構造、モノコック構造をベースにした新しい概念の骨格構造を採用。すなわちプラットフォームを徹底的に重視した、アッパーボディパネルに強度・剛性に依存しないペリメーターフレーム的な骨格・構造としているのが斬新だ。なおアッパーボディは、ドア以外はすべて樹脂製だ。ペリメーターフレームはボディフロア周辺にフレームを付けたフレーム構造んぼひとつで低床化などのメリットがある。

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↑フロアの骨格を強化しペリメーターフレーム的な構造を採用

また初代コペンに比べ、新型COPENのプラットフォームはフロント~サイド~リヤ~フロアの車両全体を切れ目なく繋ぐ、すなわち剛性の連続性を重視した構造とし、さらにフロア下のトンネル部やクロスメンバーなどの補強を行なうことで、上下曲げ剛性約3倍、ねじれ剛性約1.5倍とするなど、高いボディ剛性を実現し操縦安定性と乗り心地を向上させている。車両重量は850kg。

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アウターパネルは好みに応じて脱着できる「ドレスフォーメーション」システム

■内外装着脱構造「DRESSFORMATION」
エクステリアデザインは、ユーザーの嗜好に合わせて選択可能な着脱構造としている。そのため外板パーツは、ボルト締め付け構造を採用。外板を13個の樹脂パーツの集合体とし、クルマは購入後のデザイン変更が難しいという固定概念を覆し、購入後でもユーザーの好みに合わせてアウターパネル形状、カラー変更を可能にしている。

交換できる樹脂パーツはボンネット、ラゲージリッド、フロント/リヤバンパー、フロント/リヤフェンダー、シルロッカー、フューエルリッドの11部品とされている。なおルーフは電動格納式を採用している。ルーフやバックパネルはもちろん樹脂製となっている。

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↑プラスチック製アウターパネルはボルト止めで固定される

内装も運転席/助手席トリムパネルやオーディオクラスターを取り替えられるDRESS構造とすることで、購入後のデザイン変更が可能となる。

■新型COPEN専用チューニング
エモーショナルな操縦安定性と上質な乗り心地を実現した専用サスペンションを採用している。クラスを超えた感動の操縦安定性と乗り心地を実現するため、開発のターゲットはヨーロッパのBセグメントのスポーティカーにしたという。

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フロントサスペンションは、なんとリバウンドスプリング内蔵式のストラット式、リヤサスペンションはトーションビーム式を採用。前後ダンパーのバンプストッパーはウレタン製を採用し、プログレッシブ特性を与えている。また取り付け点を含むサスペンション剛性の向上とロール剛性のバランスの最適化など新型COPEN専用チューニングを実施している。接地感のあるフラットな乗り心地を目指し、リヤはトーコレクトブッシュを採用し、横力トーイン特性を強めてグリップ感を重視するなどスポーツカーらしい感動できる操縦安定性を実現しているという。

また空力性能は、リヤの揚力を初代コペンに比べ約60%低減し、前後の揚力バランスを最適化。高速でも低速でも変わらない安定感のある走りを実現しているという。

エンジンは64ps/92Nmの「KF-VET」を採用。DVVT(連続可変バルブタイミング機構)付660ccターボエンジンで、最大トルク3200rpmと低回転から高いトルクを発揮。またアクセル操作に対するレスポンスも向上し、スポーツカーとしての走りを進化させている。

トランスミッションは7速スーパーアクティブシフト付CVTと5速MTを設定。CVTはエンジンとの協調制御により、変速レスポンスを向上させている。MTは細部をチューニングし、ライトウェイトスポーツらしい、操作しやすいシフト感覚を実現しているという。燃費はCVT車が25.2km/L(社内測定値)でエコカー減税「免税」対象予定。MT車は22.2km/L(社内測定値)とエコカー減税「50%減税」対象の予定だという。

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エキゾーストはサウンドの演出にこだわり、オープンカーらしいスポーツ走行サウンドを実現。また樹脂外板の採用以外にダイハツ初の樹脂燃料タンクで軽量化を図っている。樹脂製燃料タンクはダイヤモンド型ビードを採用することで補強し、剛性と耐衝撃吸収性を高めている。

新型「COPEN」は、新たな軽自動車規格のスポーツカーとして特化されていると同時に、次世代のダイハツの軽自動車を示唆する技術を盛り込んでいるという点でも大いに注目できる。

 

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