ダイハツは2025年8月25日、自動車免許不要の新たな電動低速(歩行領域)モビリティ「e-SNEAKER(スニーカー)」を発売した。

ダイハツは、企業理念に基づき、すべての人が自由に移動できる社会を目指し、モノづくりとコトづくりの両輪で取り組んでいる。
モノづくりでは軽自動車を中心に最小単位にこだわり、小さなモビリティの可能性を追求するとともに、コトづくりではクルマを運転できない人たちに向け、交通空白地域でのオンデマンド乗合送迎サービスや福祉介護領域における送迎支援サービスの提供など様々な取り組みを行なっている。

そして近年は、地方部を中心に交通機関の減便・廃止や免許返納者の増加が進む中、近距離移動をサポートするモビリティの必要性が高まっている。
発売した「e-SNEAKER」は、自動車免許不要で、日常移動に新たな価値を提案すべく「胸張れる 軽快 安心モビリティ」をコンセプトに開発している。
自由に外出を楽しみたいアクティブシニアをはじめ、幅広い人たちに、近所への買い物や家族・友人との外出など、歩行領域の「ちょっと先」を気軽に、楽しむことができるモビリティとしている。
なお、e-SNEAKERは、従来のシニアカーと同様に最高速度6km/hに限定され、車道ではなく歩道を走行するようになっており、道交法では歩行者と同等の位置づけになっている。

e-SNEAKERは、自転車乗車と同等の高い目線とすることで運転しやすいこと、洗練されたスタイリッシュなデザイン、安心して乗ることができる大径タイヤを装備。また充電場所を選ばない脱着式軽量バッテリーを採用。
ボディサイズは全長1130mm、全幅645mm、全高985mmと歩行領域モビリティとして周辺に圧迫感を与えないスッキリとしたスタイルで、安全面からも周囲の交通に埋没しない高さを確保している。なお、身長や好みに応じてシートの高さは3段階(700mm/630mm・555mm)から選択できる。
走行速度は1km/hから最高6km/hまで6段階調整式だ。連続走行距離は、満充電で12kmが可能。リチウムイオンバッテリーは2.5kgと軽量で、付属の専用充電器(AC100V)に接続し、家庭用コンセントで約2.5時間で充電ができる。

4輪の採用と前方バッテリー配置、後輪駆動としたことで、安定した走行を実現。タイヤは4輪ともエア入りタイヤを採用しており、快適な乗り心地を実現。さらに、8インチのフロント大径タイヤにより最大7.5cmの段差(助走ありの場合)や最大10cmの溝の乗り越えが可能となっている。

また、坂道や旋回時に自動的に減速する速度抑制機能を搭載。加えて、傾斜センサーが登坂、降坂、左右の傾斜を検知することで、急な坂道や斜面では、警告メッセージと警報音で知らせる急斜面検知機能を搭載。
後退時には、周囲に警告する後退ブザーと、インターフェイス内の状態表示パネルにメッセージを表示。そして手動でも車両を動かせるようにシート後方下にブレーキ解除スイッチを設置。スイッチを押しながら、車両を押すことでちょっとした移動が可能になっている。
ダイハツは2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の未来社会ショーケース事業の一つである「スマートモビリティ万博・パーソナルモビリティ」に協賛し、歩車混合交通システムの実証の観点から、障害物検知機能/接触停止機能などの安全機能を搭載した大阪・関西万博仕様の「e-SNEAKER」を150台提供している。

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