ダイハツのインドネシア現地法人であるアストラ・ダイハツ・モーター社(ADM)は、Aセグメントの5人乗りコンパクト・ハッチバック「AYLA(アイラ)」を約10年ぶりにフルモデルチェンジして発売した。
初代「AYLA」は、ダイハツが日本の軽自動車やコンパクトカーの技術やノウハウをベースに、インドネシアのニーズを徹底的に追求して開発したAセグメントのコンパクトカーで、経済成長に伴い拡大する新規自動車購入層向けのエントリーカーとして、インドネシアのエコカー基準である「LCGC」に適合し、2013年の発売以来、好評を博し累計販売台数は約27万台にのぼっている。そして今回フルモデルチェンジを行なって2代目「AYLA」を市場に投入した。
ダイハツはこれまで徹底した現地化にこだわり、車両の現地生産をはじめ、現地調達の拡大や、研究開発体制の強化、人材育成などを積極的に推進。従来日本から輸出していた1.2LエンジンやCVTを、2022年後半以降現地生産に切り替え、1.2LエンジンはADM、CVTは2021年に設立した「ダイハツ・ドライブトレーン・マニュファクチュアリング・インドネシア(DDMI)」で生産しており、新型「AYLA」のみならず、複数のADM生産車種に搭載している。
今回のフルモデルチェンジにあたり「The Exciting City Car」をコンセプトに、最新の1.2Lエンジン(WA型)やCVT(D-CVT)を採用。またエントリーグレード用の1.0Lエンジン(KR型)も性能向上を図っている。
今年2月にマレーシアにて発売した新型「AXIA(アジア)」と共通のDNGA Aセグメント・プラットフォームを取り入れることで、従来から燃費性能を約16.5%向上しつつ、操縦安定性や乗り心地などの走行性能、安全性を含めた基本性能を大幅に向上させながら、エントリーカーに相応しい価格を実現している。
現地価格は、1億3400万ルピア〜1億8990万ルピア(約120万円〜約170万円:1ルピア=0.0089円)。
また、デザインは「パワフル&アグレッシブ」をテーマに、より存在感あるスタイリングに進化させ、コンパクトなボディサイズの中でも広くて使いやすい室内空間や荷室スペースを実現。初代に引き続きLCGCに適合し、トヨタ・グループの新興国小型車事業の一環として、トヨタ社へのOEM供給やトヨタ・ブランドでの輸出も行なう計画になっている。