ダイハツは2021年10月21日、通所介護施設の送迎の共同化を土台に、他のサービスを付加することで、地域の高齢者の移動や暮らしを支援する福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」を2022年春に提供を開始すると発表した。
ダイハツは、2018年から「らくぴた送迎」を提供し、介護施設が個別で実施している送迎業務の効率化をサポートしてきている。しかし一方で、地域によっては現状の個別施設がそれぞれ送迎することについて、人材不足の課題が明らかになってきている。
これらの課題解決に向け、2019年10月からダイハツと香川県三豊市で検討を開始し、2020年11月に実施した実証事業では、介護施設にとって送迎業務を外部委託することにより業務負担が軽減されること、また地域で送迎の共同化をすることにより効率的な稼働が実現できることなどが明らかになった。
さらに、他の自治体へヒアリング活動を行なう中で、エリアや人口規模に関わらず同様の課題を抱えている自治体が多いことから、社会受容性が高いモデルであると考え、福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」として全国展開することが決定された。
このサービスの2022年春の提供開始に先立ち、「ゴイッショ」の導入を検討する自治体も募集している。
「ゴイッショ」は、通所介護施設の送迎業務を地域一体で運行する共同送迎により、施設にとって送迎業務の負荷軽減による人材不足解消、質の高い介護サービスの環境構築への寄与を目指している。また、施設の送迎に留まらず、送迎の空き時間を活用し、地域課題に合わせ「買い物支援などの移動サービス」や「宅食サービスなどモノの配送」を付加することで、地域移動を支援する仕組を目指している。
具体的には、「ゴイッショ」は送迎業務を受託する運行主体をコアにし、運行計画作成・運行管理を支援するシステム、業務手順書策定など事業運営に関するノウハウ、パートナーと連携し、地域ニーズに沿った提案するなどが含まれている。
社会全体の高齢化のもとで、過疎地、公共交通による移動手段のない地域などではこうしたフレキシブルなMaaS型移動サービスの需要は急激に高まると予想され、ダイハツの取り組みはその先頭に立っているということができる。