2019年に発売されたフォルクスワーゲン ゴルフ8が、フェイスリフトを行ない、試乗できたのでお伝えしていこう。(同時にヴァリアントもフェイスリフト)

通称ゴルフ8.5と言われるフェイスリフトは、単にエクステリア&インテリアの変更だけでなく、細部の見直しにより乗り味にも少し変化が出ていた。
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フェイスリフトの詳細は既報で、その詳細は上記のリンクをご覧いただくとして、アウトラインを整理してお伝えしておくと、まず、エクステリアの変更ではフロントとリヤのライトデザインを変更し、新IQライトとなり500m先まで届くハイビームを装備。さらにフロントのVWマークはイルミネーション付きロゴマークになった。





GTIではハニカムデザインのグリルとしGTIのキャラクターを強調。リヤスポイラーや2本出しマフラー、19インチのアルミホイールを装着している。
インテリアでは不評だったインフォテイメント系の操作が変化し、フィジカルスイッチが復活。12.9インチのタッチディスプレイのタッチ操作はレスポンスよく反応するようになっている。


その復活したスイッチにはクライメートコントロールもあり、運転支援系、ドライブモードなどよく使うと想定されるものが復活している。それでもまだ、階層の中に入らないと操作できないものもあり、オーナーとなれば、使い慣れることで、そのあたりの不便は解消するのだろうか。
さて、ラインアップではアクティブグレードが以前は1.0Lの3気筒エンジンで、スタイルとRラインは1.5Lの4気筒だった。しかし、今回のフェイスリフトで1.5Lの4気筒エンジンに統一され、85kWと110kWの出力違いという区別に変更された。また出力自体も以前より4kW、20Nm向上させている。
マイルドハイブリッドは、セルモーターをなくしBSGのみとした。エンジンも可変ジオメトリーターボのターボラグを無くし、省燃費とトルクレスポンスをよくする制御変更が入っていた。
そのMHEVの特徴は水冷式オルタネータで12kWの出力から14kWに出力アップし、回生、エンジン始動、トルクサポート、そしてシフトチェンジに合わせてエンジン回転を調整する制御を導入している。



また気筒休止も変更され、高速巡航時は2気筒になり、2番と3番が止まり、カムプロフィールも切り替わることで1番と4番がスムースになる制御となっていた。
この辺りの変更をどう感じるのか、Rラインのグレードで試乗した。まずエンジン始動の滑らかさが素晴らしい。アイドリングストップからの復帰は、ごく自然に復帰し車体に振動が伝わってこない。
そして60km/h程度でコースティングモードが機能するのだが、これが気筒休止とコースティングの違いがわからないほど滑らかに、そして静かに走行していた。エンジンは211型evoで名称はeTSIと変わっていないものの、乗り味としては高級なモデルへとさらに進化した印象だ。
乗り心地では、アクティブグレードのみトーションビームで、スタイル、Rラインはマルチリンク。今回アクティブには試乗しなかったが、マルチリンクはハーシュネスを感じる時もあるが、総じて乗り心地はマイルドで上級な印象を受ける。



もう一台の試乗はGTIに乗った。GTIは2.0LのTSIで出力が20psアップしている。今回の試乗エリアは都内の一般道と首都高速という環境なので、その20psの違いを掴むことはできないが、市街地走行をした印象では、全体に軽く感じたのだ。
あまりいい意味ではなく、ステア操作やアクセル操作が軽く、GTIに求めるらしさが少し薄れていた。この違いをフォルクスワーゲン・グループジャパンに聞くと、制御変更などの情報はない、という回答だったが、同様に軽くなったというジャーナリストは多かったとも言っていた。
GTIにはスポーツドライブを期待するし、ある程度のステア応答、インフォメーションは欲しい。またアクセルの操作感も軽いよりは重い方がコントロールしやすいので、少し商品の位置付けが変わってきているのかもしれない。GTIとはいえ、一般ユーザーの日常の足としての使い勝手や便利さという要素が入ったのかもしれない。
ゴルフ8.5ではPHEVモデルもあるのだが、日本にはまだ導入されておらず、気になる存在でもある。先行してパサートPHEVは導入されたが、急速充電には対応していなかった。ゴルフのPHEVはどうなるのか気になるところだ。
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