2012年7月24日、フォルクスワーゲン グループ ジャパンは、日本で販売するフォルクスワーゲン乗用車の最上級モデルとして、今回新たに4ドア・クーペ スタイルの「フォルクスワーゲン CC」を導入し、同日から発売したと発表した。
「CC」は、これまでパサートCCとして販売されてきたが、今回のデザイン変更のタイミングで、車名を世界的に「フォルクスワーゲン CC」に変更した。その理由は、VWのセダンシリーズの頂点となるプレステージカーの「フェートン」(日本には未導入)と、「パサート」との間に位置するラグジュアリーモデルとして再定義されたからだ。日本市場ではVWの最上級乗用車モデルとなる。また他の地域の市場でも、フルサイズのラグジュアリーモデルというポジショニングが再確認されている。
フォルクスワーゲン CCは、日本での新たなVWのフラッグシップモデルと位置付けられ、上級セグメントにおけるダウンサイジング戦略のシンボルとなる。
フォルクスワーゲン CCは、その名の通りComfort Coupe(コンフォート クーペ)、すなわちCCの車名の由来にふさわしいエレガントで高級感のあるデザインが特徴。最新のVWデザインを踏襲しながらも、フロント、リヤ部分を水平基調のデザインに変更。ルーフからリヤエンドにかけてクーペのように伸びやかに弧を描くサイドシルエットで、大径の18インチタイヤを履き、フロントポジショニングランプ、テールライトにはLEDを採用している。
ラグジュアリーな雰囲気はインテリアでも明確に表現される。上質なナパレザーを前後シートに採用。シートカラーはブラックの他にブラウン系のトリュフ&チタンブラック、明るいデザートベージュ&チタンブラックをラインアップした。
↑遮音用樹脂をサンドイッチしたフロントガラス ↑ダッシュボード内部の遮音材
フロント合わせガラスには遮音フィルムを挿入して風騒音を大幅に低減。またダッシュボードやボディの各部に遮音材、吸音材を付加することで、上級モデルにふさわしいキャビンの静粛性も実現している。トランク容量は532L(VDA)とラグジュアリークラスにふさわしい容量を持つ。トランクスルー機能も備える。
フォルクスワーゲン CCのエンジンは、ヨーロッパでは、ディーゼルが2種類、ガソリンが3種類で、1.8LのTSI、2.0のTSI(210ps)、3.6LのNA(300ps)という5種類がラインアップされる。このうち日本仕様は1.8L(82.5×84.2mm)のTSIエンジン1種類のみのラインアップとなる。出力は160ps/4500rpm-6200rpm、トルクは250Nm/1500rpm-4200rpm。トランスミッションは7速DSGを採用する。動力性能は、0-100km/hが8.5秒、最高速は223km/hだ。
パサートCCは2.0LのTSIと3.6LのV6型エンジンを搭載していたが、フォルクスワーゲン CCからは大トルクと低燃費を両立させるダウンサイジング・コンセプトの象徴的なエンジンとして1.8LのTSIに絞ったのだ。
1.8LのTSIエンジンは、ブレーキエネルギー回生システムを採用することで、燃費はJC08モードで13.4km/Lとなり、従来のパサートCCの2.0L・TSIエンジンより大幅に向上。これによりフォルクスワーゲン CCは、エコカー補助金の対象となっている。
サスペンションはフロントがストラット式、リヤが4リンク式。パワーステアリングは電動メカニカル式だ。ダンパーは連続可変調整式(DCC)を採用。またパーキングブレーキも電動式を採用している。
さらにテクノロジーパッケージを選択すると、アダプティブクルーズコントロール(ACC=全車速追従機能付)、プリクラッシュブレーキシステム(Front Assist=自動ブレーキによる低速域追突回避・軽減ブレーキシステム)、レーンチェンジアシストシステム(Side Assist Plus)が装備される。このパッケージの価格は25万円となっている。なお、これらのシステムのために、77GHzのロングレンジレーダー、24GHzの後方用レーダー、カメラなどが装備される。
↑全車速追従式クルーズコントロール ↑テクノロジーパッケージに装備されるシステム
標準モデルでも、ドライバー疲労検知システム、アダプティブシャシコントロール(DCC)、前後パーキング・ディスタンスコントロール、18インチサイズのモビリティタイヤ(直径5mm未満の釘などが刺さった場合でもエア漏れせず走行できるタイヤ)、VWの最新純正ナビシステム「712SDCW」、さらに初回車検までの法定・メーカー推奨点検部品、工賃が無償になるVolkswagen ServicePLUS が付帯する。
■価格
標準モデル 499万円
テクノロジーパッケージ付き 524万円