フォルクスワーゲン アルテオンシューティングブレークTSI 4MOTIONエレガンス試乗記(2.0Lターボ+7速DSG AWD

フォルクスワーゲンのフラッグシップ「Arteon」アルテオンに新しい車型のシューティングブレークが加わり、早速試乗してきた。

アルテオン シューティングブレーク登場。フォルクスワーゲンのフラッグシップモデル

プレミアムイーター

アルテオンは2017年に東京モーターショーでジャパンプレミアされ、同年に国内導入されたが5ドアのファストバックだけのラインアップだった。そのアルテオンは2021年7月にマイナーチェンジを受け、同時にこのArteon Shooting Breakも新しい車型として導入することになった。

特徴は見てのとおり、そのスタイリッシュなデザインだ。もっとも美しいステーションワゴンのデザインと言ってもいい。アルテオンはDセグメントサイズで、ボディサイズが全長4865mm、全幅1875mm、全高1445mm、ホイールベース2835mmという大きさを持ち、Eセグメントのモデルと比肩するサイズを持っている。反面価格はプレミアムモデルのDセグメントと競合する値段で、プレミアムイーターという位置づけでもある。アルテオン ファストバックとシューティングブレークのボディサイズは全く同サイズであり、Eセグメントをライバル視できるというわけだ。

価格は税込みで567万9000円〜644万6000円でEセグメントより100万円以上安く、またプレミアムDセグメントとガチ対決できる価格設定がされているのだ。

サイドウインドウは小さく大径サイズのタイヤもカッコいい
リヤフェンダーの腰の張り出しが強く、スポーティさと存在感が押し出される

具体的にはアルテオン シューティングブレークはメルセデス・ベンツのCクラスワゴン、BMW3シリーズツーリングの価格帯でありながら、ひとクラス上の5シリーズツーリング、Eクラスワゴンらの大きさと比較できるわけだ。

VWらしく実用性も高い

搭載するエンジンは2.0LのTSI(ガソリンターボ)のみで、駆動方式も4MOTIONのみ。出力は200kW(272ps)/350Nmで7速DSGが組み合わされている。これだけの出力であれば、このボディサイズであっても満足できる走りは可能だ。高速走行、追い越し加速、市街地での低速でのトルク感など不満はない。ちなみに燃費はWLTC平均モードで11.5km/L、高速モード13.5km/L、郊外路が11.6km/L、市街地が8.6km/Lという数値になっている。

2.0Lターボガソリンエンジンを搭載した4輪駆動

また、操舵フィールでは、パサートやゴルフ8などにも共通するスッキリとしたステアフィールになっていて、直進の座りを強める制御は影を潜め、微小舵時の切り始めの手応えが自然で滑らかに洗練されたステアフィールになった。そして静粛性も高く、そして全車標準装備のアダプティブシャシーコントロール「DCC」は乗り心地が変更でき、高級車に相応しい乗り心地とダイナミックな走行が楽しめる。

フルデジタル化された運転席周り。フラッグシップに相応しいインテリア

グレードはファストバック、シューティングブレークともに「R-Line」「R-Line Advance」「Elegance」の3グレード展開で、装着タイヤサイズはR-Lineだけ245/40-19、それ以外は245/35-20という大径サイズを履いているのだ。試乗車は20インチサイズのタイヤを装着していたが、乗り心地の悪さなど微塵も感じることなく見事に履きこなしていたのが印象的だった。

そして、秀逸なのはやはりキャビンスペースの大きさだ。ファストバック、シューティングブレークともに5人乗車時のトランクスペースは563Lと565Lでほぼ同等。リヤシートを倒すと両車とも1557Lと1632Lという大容量になる。ちなみに、キャディバック4本がリヤシートを倒すことなく搭載でき、商品パッケージ・デザインの秀逸さを感じるのだ。

そしてリヤシートのスペースもアルテオンの魅力。大柄な4名乗車は余裕すらある。前席シートとのスペースは広く、足が組めるほど余裕のスペースがあるのだ。外観からはその窓の小ささから天井が低そうに思えるが、実際に座ってみると気になることのない高さが確保されている。もちろん運転席も大きめのシートが用意され、余裕ある大きさになっている。

インテリア・デザインやエクステリア・デザインの変更、運転支援システム、インフォテイメントなどすべてアップデートされており、詳しくは既報のこちらを参考にして欲しい。

大柄な大人4人でも余裕ある広さを持っている
キャディバッグ4本をリヤシートをたたまず車載できる広さがある

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アルテオン シューティングブレークは、そのスタイリッシュな見た目とクラスを超える広いキャビンを考えると非常に魅力的であり、プレミアムモデルからのスライドも十分検討対象になるモデルだ。さらにプレミアムDセグの価格でEセグサイズが手に入る魅力も大きく、オススメの一台である。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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