フォルクスワーゲン クロスオーバーEV「ID.5」ツヴィッカウ工場での量産を開始

フォルクスワーゲンは2022年2月1日、ドイツ ツヴィッカウ工場でEVの「ID.5」シリーズの量産を開始したと発表した。ツヴィッカウ工場はフォルクスワーゲンが電気自動車の大量生産のために大改装した最新のカーボンニュートラルな工場だ。

ラインオフしたID.5とID.5 GTX

そして「ID.5」シリーズの量産開始により、長い歴史を持つ工場を電気自動車専用で最新設備を持つ新鋭工場に転換するという取り組みが完了したことを意味している。

ID.5

今回量産が開始されたID.5は、先行しているID.4をベースにしたBEVのクロスオーバーSUVで、アウディQ4 e-tronとは兄弟関係にある。2021年11月初旬にID.シリーズの第4弾として発表され、まもなくデリバリーが開始される。

ID.5のインテリア

ID.5シリーズのバッテリー容量は、77kWhまたは82kWhで航続距離は約500km。モーター出力はバリエーションにより174ps、204ps、4WDでは前後合計299psをラインアップ。

ボディはクーペ風のルーフが特長で、Cd値は0.26〜0.27と世界最高水準にある。またラゲッジ容量は549L/1575LでID.4を上回っており、Eセグメントに匹敵する積載量を誇っている。

またID.5は、フォルクスワーゲングループの最新の電子プラットフォーム/OSを搭載していることも注目されている。

このID.5を始め、今後はモジュラー・エレクトリックドライブ・マトリックス(MEB)プラットフォームをベースにした、フォルクスワーゲン、アウディ、クプラ(傘下のセアト社の上級ブランド)ブランドの6モデルが、ツヴィッカウ工場で生産されることになる。

さらに2022年は、エムデン工場(ID.4)、ハノーバー工場(D.Buzz)、アメリカのチャタヌーガ工場(「ID.4」)の各工場が、電気自動車の生産に加わり、フォルクスワーゲンはヨーロッパ、アメリカ、中国の拠点で、MEBをベースとした電気自動車を120万台生産という、驚異的な台数を生産する基盤を構築したのだ。

歴史ある工場を電気自動車専用工場にリニューアルしたツヴィッカウ工場

ツヴィッカウ工場では、フォルクスワーゲン「ID.3」、「ID.4」、「ID.5」に加え、アウディ「Q4 e-tron」、「Q4スポーツバックe-tron」、クプラ「ボーン」という3ブランド6モデルが生産され、生産能力は年間30万台以上となっている。ツヴィッカウ工場はグローバルで見ても最も効率的な電気自動車生産施設ということができる。

ツヴィッカウ工場は、2018年から電気自動車生産のためにデジタル化した、フレキシブルな生産が可能な高効率なモデル工場に転換するため、約12億ユーロ(約1550億円)を投資。まさに命運をかけた生産工場だ。この工場では、スマートインダストリー4.0の産業ロボットや、コンポーネントを完全に自動で組立ラインに運ぶ、無人輸送システムなど最新の生産技術が幅広く採用されている。

投資額の4割弱は、ボディ組み立て工程の強化と拡大のために費やされている。既に高レベルだったこの分野の自動化率は現在約90%というレベルに達し、最先端ロボットの数は1200基から1625基に増加。組立ラインの自動化も約2倍の28%になり、生産分野における効率性は大幅に向上している。今回のさらなる自動化にあたっては、手を肩の位置より上にあげての作業や、頭上での作業などが解消されている。

拡張されたプレス工程、組立工程などを含めて5万m2以上の生産棟が新設され、この工場で生産されるすべての電気自動車のパーツを工場内でプレスすることが可能になり、年間9000回分ものトラック輸送が不要になっている。

その他に、新しい物流専用棟や、現在ツヴィッカウ工場で最も高いビルとなっているバッテリー組み立て棟などが新設されている。

パワーユニット、サスペンション、バッテリーの搭載・結合はすべて自動化

ツヴィッカウ工場は、サプライチェーン、生産工程全体で、完全にカーボンニュートラルな方法で車両を生産していることも大きな特長だ。生産プロセスでは、CO2の排出を可能な限り回避または削減し、避けられない排出量分は、植林など気候保護活動への参加によって相殺されている。

生産におけるCO2排出の回避策は、多くのエネルギーを必要とするバッテリーセルの生産にも適用されており、サプライヤーがセルの生産において、再生可能エネルギー源によるグリーン電力を使用することに合意している。この重要な対策により、電気自動車のライフサイクルアセスメント(LCA)をさらに改善することが可能になっている。

ツヴィッカウ工場は、2017年の時点ですでに外部電源を100%グリーン電力に切り替えている。「ID.3」の生産が2019年11月に開始されて以来、拠点の高効率コジェネレーション発電と、上流サプライチェーン全体から発生する残りのCO2排出量は、公認された基準に従った認定気候プロジェクトを実施し、ツヴィッカウで生産されたすべてのモデルのCO2排出量は相殺されている。

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