フォルクスワーゲンは2018年9月26日、電気自動車ファミリー「ID.(アイディ.)」のシャシーを初公開し、フォルクスワーゲンのビジョンである“ELECTRIC FOR ALL”(すべての人々のための電気自動車)を実現するための、電気自動車専用プラットフォーム戦略の一端を発表した。
「ID.」シャシーの基盤になるモジュラーエレクトリックドライブマトリックス(MEB)は、フォルクスワーゲンならではのユニークなセールスポイントであり、eモビリティに対するフォルクスワーゲンの取り組みを示すものでもある。自動車業界における一般的な手法とは違い、この「ID.」のシャシーは、ガソリンエンジン搭載モデルのシャシーを手直ししたものではなく、ゼロから設計されたものとなっていて、技術的可能性を最大限に活用することが可能となっている。
さらに、設計および車両コンセプトは、これまで以上に柔軟となり、このシャシーはコンパクトカーからSUVやバンに至るまで、幅広いセグメントに使用できるようになっている。
技術的なポイントとしては、電気モーターがギヤボックスとともにリヤアクスルに組み込まれているところにある。バッテリーは他のコンポーネントと共に車両のフロア下に効率よく搭載され、その結果、最適な重量配分による優れた走行性能を実現することが可能となっている。
パワーはモーターから1速ギアボックスを介してリヤアクスルへと伝達される。航続距離はWLTP基準で330〜550kmで、125kWhの急速充電システムを利用すると、30分以内に80%の充電が可能となる。
フォルクスワーゲン e-モビリティ製品群開発責任者のクリスティアン・ゼンガー氏は「ID.は、技術開発のマイルストーンになるでしょう。このクルマは、何百万人もの人々が手に入れることができ、完全なコネクテッド機能と実用性を備えた初の電気自動車となります」とコメントしている。