ボルボは2011年9月に開催されたフランクフルトショーで「Concept You」を初公開した。これは、今年4月の上海オートショーでワールドプレミアを行った「Concept Universe」を発展させたもので、大型のラグジュアリークラスのコンセプトカーである。
“Universe” と“You” を比べると、フロントのディテールやルーフ後端のデザインが変わっており、後者がよりクーペ的なデザインフォルムになっている。Concept Youはボルボのトップレンジに位置する4人乗りのプレミアムセダンのコンセプトカーであり、S80のさらに上級モデルとされている。ボルボは今後、これまでよりさらにプレミアム路線を追求することを明確にしており、そのために大胆なデザインの導入と、テクノロジーの革新を進めるとしている。
Concept Youはそのシンボル的な位置付けとなっている。このため、ボルボ伝統のデザイン・アイコンを残しながらまったく新しいデザイン表現を採り入れ、インテリアにおいてもスカンジナビア・テイストを生かしつつ、シックで上質さを求めて、本革やスゥエード、アルミ材や本木目のウォールナット材、ウールのカーペットなどを贅沢に使用して、クラフトマンシップに満ちた仕上げとしている。
また同時に、スマートフォンというよりi Pad方式の大型の液晶ディスプレイやコマンド用のタッチスクリーンを備え、画面タッチによるコマンド・コントロールシステムを採用。従来のボタンやダイヤルを廃止した最先端のテクノロジーも盛り込んで、今後のボルボの方向性を表現している。リヤドアは逆ヒンジで観音開きとして乗降性を高めている。また、オーディオシステムはアルパインとの共同開発で、外部導入式エアを加圧するサブウーファーなどで構成される画期的なハイエンド・オーディオとしている。
パワートレインの詳細は公表されていないが、ボルボはよりダウンサイジングコンセプトを追求するとしており、4気筒や5気筒がメインになると考えられる。新しいエンジンは部品点数の削減や大幅な軽量化などを行うとしており、同時にボディやシャシーに関しても今後、最新の技術を投入する計画だ。プラットフォームは新開発のフレキシブルタイプ(ボルボはScalable Platform Architecture=SPAと名付けている)で、タイヤはピレリの275/30R21を装着している。
さらに、今回はジュネーブショーで公開されたV60のプラグインハイブリッドも展示された。横置き直列5気筒2.4Lのディーゼルエンジンで前輪を駆動し、リヤはモーター駆動の4WDシステムを搭載となっている。12kWhのリチウムイオン電池を搭載し、電池とモーターのみでも50kmのEV走行が可能。このプラグインハイブリッドのV60は 2012年に発売予定としている。
なおXC90、S80、V70、XC70のマイナーチェンジモデルの発表も行われ、フロントマスクなどがデザイン変更して出展された。