ボルボ 2018年型「V60 ポールスター」最終モデル解説&試乗記 味わい深い磨き抜かれた走り vol.2

マニアック評価vol568
vol.1ではS60、V60ポールスターの詳細をお伝えしたが、今回は試乗してみてのレポートをお届けしよう。<レポート:松本晴比古/Haruhiko Matsumoto>

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 フロントイメージ

■試乗インプレッション

これまでもそうだったようにポールスターモデルのエクステリアは、派手で攻撃的なスポーツモデルと感じさせないように控えめだ。しかし、よく見るとフロント・スポイラーのエクステンション、サイドスカート、ミラーカバーがすべてカーボン製としている。しかもこれらはドレスアップだけではなく、ベースモデルよりダウンフォースを30%近く向上させているという機能アイテムでもある。

ホイールは20インチサイズで、ボルボ純正マーク付きのミシュラン・パイロット・スーパースポーツ(245/35R20)という超扁平サイズを装備する。ちなみにこのタイヤは内部にウレタンフォームを内蔵し、タイヤノイズも大幅に低減する技も入ったプレミアム・スポーツタイヤだ。

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 フロントシート

インテリアは、ヌバック(革をバフ掛けした起毛加工仕上げ)を使用した本革シート。ステアリングホイール、ドアトリムにも採用し、触感がよく見た目もシックだ。60シリーズは、もともと上質なスカンジナビア・デザインの仕上げだが、このヌバック本革を多用することで一段と上質感が伝わってくる。

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 フロントシート

アクセルを踏み込むと、エンジンは軽々とレスポンスよく吹け上がり、しかも分厚いトルクが生み出される。強めにアクセルを踏み込むと、8速ATの変速もクイックでしかも滑らかで、加速感も強烈だ。

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 リヤシート

スポーツモードでエンジン回転が4000rpmに達するとエキゾースト・サウンドが高まり、ドライバーの気持ちを高揚させる。もちろんこれはアクティブ・エグソースト・バルブが開いた効果だ。アクセルを強く踏み込み、強力なトルクを生かした加速でもハルデックス4WDのおかげでホイールスピンすることもない。

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 セレクター

ドライブモードはノーマルとスポーツの2モードとなっているが、隠しモードでスポーツ+があるのは前年モデルを継承している。このモードはサーキット走行や本格的なスポーツ・ドライブに合わせたモードでESPもオフになる。このモードにするには停止状態で、パドルの「+」を引いたままの状態から、ギヤセレクターを「−」方向に2度倒すと起動するという、まさに隠しモードだ。

このスポーツ+モードにした場合、シフトは2速から上のギヤでは4000rpm以上に保たれ、変速速度も最速になる。またカーブへの進入時には変速せず、ギヤポジションが維持される制御になるのだ。

ステアリングに伝わる接地感は気持ちよいし、タイヤがグリップするフィーリングも上質だ。またボディ全体のがっしりした剛性感も最新の60シリーズ共通だ。

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 タイヤ ミシュラン パイロット・スーパースポーツ 245/35R20
ボルボOEMマーク付きのミシュラン・パイロット・スーパースポーツ(245/35R20)

しかも35扁平の20インチサイズのタイヤを装着しているにも関わらず、路面からのゴツゴツ感がなく入力の角が取れている点も驚きだ。試乗時のダンパーの設定は前後とも中間位置(10番)であったが、いわゆるスポーツモデルのイメージであるゴツゴツ感やヒョコヒョコ感は薄く、しなやかに路面に接地し、うねりのある路面でもフラットにバウンドする乗り心地は爽快、快適だ。スピードが高くなるほど路面にしっかり張り付くようなフィーリングは、大人のためのスポーツモデルというにふさわしい乗り味だ。

V60ポールスターは、傑出した動力性能と爽快な乗り心地、しっかりとした上質感のあるシートなどにより長距離ドライブでも疲労が少なく、しかも飽きないでドライビングを楽しめるGTスポーツカーとして熟成されている。それに加えて、日本では50台しか存在しないシリアルナンバー付きの希少なモデルである点もマニアにはたまらないはずだ。

ボルボ S60 V60 ポールスター 諸元表

ボルボ 2018年型 V60 ポールスター最終モデル 試乗 価格表

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