ボルボ スウェーデン本社にウーブンシティに似た開発拠点としてモビリティ・イノベーション・センターを設立

ボルボ・カーズは2024年2月8日、スウェーデンのイェーテボリに「モビリティ・イノベーション・デスティネーション・トースランダ」を設立すると発表した。ボルボ本社に近いこの施設は、電動化への道のりと次世代プレミアムEVの開発を支える自動車開発の実証基盤という役割を担っている。

ボルボ・カーズはイェーテボリのトースランダにある敷地を拡張し、テスト、エンジニアリング、新しいビルや施設のそばにスタートアップ企業やビジネスパートナーに入居してもらうという計画なのだ。その目指す姿は、トヨタの裾野市のウーブンシティとよく似ている。

このイノベーション・センターは、ボルボのクルマがその一部となっているだろう未来の社会を模した環境として整備されており、先端技術をテストすることができるようになっている。つまり、ワイヤレス充電やVehicle-to-Grid(EVと電力網の接続)の双方向充電、自動運転機能といった技術を個々の研究所や、開発センターだけで開発するのではなく、イノベーションをひとつの都市のような環境でテスト、検証し、展開することができる。

モビリティ・イノベーション・デスティネーション・トースランダの次のステップは、既存の敷地の向かい側に近代的なオフィスが入るビルを建設することだ。建設はボルボ・カーズが不動産デベロッパーとの協業によって進められる予定。

これらの建物は、2030年までに完全な電動化を実現し、新しいテクノロジーとサステナブルなモビリティ業界のリーダーになるという、ボルボ・カーズの現在進行中の戦略的な高い目標を実現するためにも極めて重要とされている。

最初に新築する25,000平方メートルのビルはボルボ・カーズ専用のものとなっており、木造ハイブリッド構造で、鉄骨とコンクリートからなる従来の骨組みと比べ、二酸化炭素排出量を15%削減できる。着工は2024年第2四半期を予定しており、2026年までに完成し、2027年のボルボ・カーズ創立100周年に間に合わせるとしている。

現在の計画では、イェーテボリ市グリーン・シティ・ゾーン構想の拡大にもこの敷地が含まれている。このゾーンは、イェーテボリ市がボルボ・カーズやその他の企業、研究者らとともに、2030年までに排出ガスゼロの交通を実現することを目標に、乗り物とインフラの両方で新しいテクノロジーをテストできる地域を対象としている。

この取り組みにしたがい、ボルボはイェーテボリ周辺での他のモビリティ・イノベーション拠点とのつながりを強化し、イェーテボリの敷地におけるエンジニアリング機能をさらに高めることを目指していく。

最近オープンしたボルボのソフトウェア・テストセンターとともに、この地域には製造工場、デザインセンター、パイロットプラント、バッテリーラボ、風洞、衝突テストラボを備えたセーフティセンターなどの試験・開発施設を含む強力なエンジニアリング拠点がある。先進的なバッテリーメーカーのNorthvolt社との合弁会社Novo社による新しいバッテリー工場も建設中だ。

ボルボ・カーズは2022年にも、次世代EV生産のためトースランダ工場に100億クローネを投資すると発表している。これには、アルミニウムボディ部品のメガキャスト(大型アルミ鋳造部品の生産設備)の導入、新しいバッテリー組立工場、塗装工場と最終組立工場の全面改修などが含まれる。

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