2018年5月8日、ボルボ・カーズとボルボ・トラックは、両社のコネクテッド・セーフティ技術に関する適用範囲を拡大し、クラウドベースのシステムを通じてリアルタイムデータを共有。車両間が通信することで周辺の危険情報をドライバーに警告するシステムを導入したと発表した。
ボルボ・カーズが安全関連のデータを他社(ボルボ・トラックは別資本の会社)と共有するのは初めてのことで、ボルボ・トラックとの協力は、道路交通の安全性向上に大きく貢献するコネクテッドカーの展開の第一歩となる。
2018年以降、スウェーデンとノルウェーで販売されているハザード・アラート(危険警告)システム搭載のボルボ・トラックと、ボルボ・カーズの乗用車用のハザード・ライト・アラートシステムを搭載した車両間で個人情報以外のライブ・データが共有されることになった。
1959年にボルボは3点式シートベルトの特許を、他のすべての自動車メーカーに公開し、現在までに100万人の命を救っているという実績があるように、ボルボ・カーズは、より多くの命を救うため、安全性に関する知識を他社と共有することに関して歴史を持っている。
ボルボ・カー・セーフティ・センター所長のマリン・エークホルムは、
「万一の事故を未然に回避するためには、ボルボのコネクテッド・セーフティ・テクノロジーに基づくリアルタイム・セーフティ・データを共有することが役立ちます。セーフティ・データをリアルタイムで共有する車両が増えれば増えるほど、道路は安全になります。ボルボは交通安全への取り組みを共有する他のパートナーと、更なる協力関係を構築できることを楽しみにしています」
と述べている。
ボルボ・カーズ・ハザード・ライト・アラートテクノロジーは、自動車業界では初めての技術だ。このシステムを搭載したボルボ車のハザードライト・スイッチが作動すると、その付近でクラウドサービスに接続されている全てのボルボ車にアラート信号が送信され、事故を未然に回避するための警告が表示される。これはブラインド・コーナーや丘の頂上などの見通しの効かない道路で特に重要な機能となっている。
ハザード・ライト・アラートは、2016年以来、スウェーデンとノルウェーで利用可能になっており、これらの地域では、XC40、90シリーズや60シリーズの全ての車両にこのシステムが標準装備されている。これにボルボ・トラックからの情報をクラウドに追加することで、より多くの地域をカバーし、より多くの潜在的な危険を検知することができ、、交通の安全性を高めることができるわけだ。もちろんこの2つのボルボ・ブランドは北欧地域でシェアが高いため、システムの効率は優れている。
マリン・エークホルムは、
「コネクテッド・セーフティにより、ボルボのドライバーは事実上、曲がり角の先を見通すことができ、危険な状況や事故を回避することができます。このような先を見通して危険を回避する能力は、できるだけ多くのドライバーと共有した方が、より効果的であることは言うまでもありません」
と語る。
なお、この車車間通信のシステムは、EU全体で展開される一般データ保護規則(GDPR)に準拠しており、システムで収集され、共有されるデータは、個人情報の匿名化、安全検証が行なわれており、信頼性を高めている。