2014年9月16日、ロールス・ロイスはマカオのルイ13世ホテルの社用車として過去最多台数となる30台の「ファントム エクステンディッド・ホイールベース」を受注したと発表した。注文したのは香港の企業家スティーブン・ハン氏。
マカオのコタイ地区で超高級カジノリゾート「ルイ13世ホテル」の開発を行なっている、ルイ13世ホールディングスの共同会長スティーブン・ハン(洪永時)氏が、イギリスのグッドウッドにあるロールス・ロイス本社を訪れ、ホテルの顧客送迎用の社用車として特別仕様車「ファントム エクステンディッド・ホイールベース」を発注した。
もちろんこれは一回のロールス・ロイスの注文としては、過去最多台数の取引だ。このうち2台は、これまで受注した中で最も高価なロールス・ロイス・ファントムが2台含まれているという。契約調印式には、ロールス・ロイスCEOのトルステン・ミュラー・エトヴェシュ氏、ルイ13世会長のスティーブン・ハン氏、ロールス・ロイス・モーターカーズの取締役会、ルイ13世の幹部、最高級貴金属製造会社のグラフ・ダイヤモンズ社の代表が列席した。
「マカオは急速に世界を代表するラグジュアリーな首都へと発展を遂げていますが、これまでにロールス・ロイスが造った中で最もラグジュアリーな2台の車両を含む、世界最多台数となる社用車のロールス・ロイス・ファントムを、マカオの多様な特徴の一つに追加できることを名誉に思っております。ルイ13世とロールス・ロイス・モーター・カーズは同じ哲学を共有しています。それは、世界で最も目の肥えた顧客層に完璧な体験を提供することです」とスティーブン・ハン氏は語っている。
特注ファントムの合計金額は少なくとも約21億円と推測される。ルイ13世ホテルの開業に合わせて、ロールス・ロイス社は2016年に車両を納品する予定だ。
30台のロールス・ロイスは一台一台を際立った車両とするために、ハン氏、ルイ13世ホテルとロールス・ロイスデザインチームが連係し、ビスポーク(特別オーダーメイド)ならではの広範囲なカスタマイズが行なわれる。最高級貴金属ブランドのグラフがデザインした特注の時計を始め、新しく作られた特注エレメントがインテリアとエクステリアに採用されている。さらに、2台の最も高価なファントムにはインテリアとエクステリアに金メッキのアクセントが備わるという。
車両はホテル内のインテリアに合わせた鮮やかなレッドカラーに塗装され、同じ色で装飾されたホイールも装着する。車両の内部はブラック、レッド、ホワイトの3色が組み合わされ、ルイ13世ホテルのロゴで飾られたヘッドレストと夜空の星をそのまま表現したスターライトヘッドライナーも取り付けられる。
この注文に応じて、ロールス・ロイス社はルイ13世の社用車を駐車するためのパーキングと進入路の設計についてもサポートし、さらにルイ13世ホテルのドライバーを対象とした車両の運転と取扱いのトレーニングを実施する予定だという。