ロールス・ロイス・モーターカーズは2016年3月のジュネーブモーターショーで発表した「レイス・ブラック・バッジ」を2016年5月25日、「Illuminate Your Senses」と題した顧客向け内覧会において、日本初披露した。
2013年に登場したこの「レイス」や、2016年デビューの「ドーン」など、近年のロールス・ロイスは従来より若い年齢層の成功者をターゲットにしている。今回の「レイス・ブラック・バッジ」は、その路線をさらに推進したものだと言える。
車名の通り、全体をブラックのトーンでコーディネートしているが、最大のハイライトはダーククロームのフロントグリルと、配色を逆転した「ダブルRバッジ」だろう。すなわち、黒地にシルバーのロゴが輝くバッジが前後ともに付けられている。さらにノーズに装着されるマスコットの「フライング・レディ(スピリット・オブ・エクスタシー)」も、光沢の高いブラックに色を変更。ボディ各所にもダーク調クロームのアクセントを配している。
6.6LのV型12気筒エンジンは最高出力465kW(632ps)で変わらないが、最大トルクは870Nmと70Nmも増強されている。トランスミッションはZF製の8速AT。なおフットワークには、新開発された21インチ(従来のレイスは20インチ)のアルミニウム+カーボンファイバーホイールを採用。航空機や宇宙機器用のテクノロジーが凝縮した注目の最新アイテムだ。
インテリアにも航空宇宙技術が導入されている。アルミ合金とカーボンファイバーによる複合材をセンターピースのサーフェスに採用。オレンジの針をもつクロックは「レイス・ブラック・バッジ」専用に開発されたものだ。また無限の可能性を示す「Unlimited」のロゴがそのクロックを飾り、シートマテリアルにも刺繍されてアクセントになっている。
気になる価格について今回正式なアナウンスはなかったが、ベース車の3383万円に対して、「およそ500万円前後のアップ」との見込みが示された。発売は2016年の秋から冬にかけてを予定しているという。