ルノー EOLAB(イオラブ)を発表 リッター100kmの革新的ZE(ゼロエミッション)ハイブリッド・コンセプト パリ・モーターショー

ルノー パリ・モーターショー EOLAB
2020年に量産化とされる1.0L/100km のZEハイブリッドを採用する「EOLAB」

2014年9月25日、パリのルノー本社は10月2日から開催されるパリ・モーターショーに革新的なZEハイブリッド・コンセプト、新型マルチパーパスバン「エスパス」を出展すると発表した。

■EOLAB
まずはZE(ゼロエミッション)ハイブリッド・コンセプトカーのEOLAB(イオラブ)に注目したい。燃費はNEDC (新ヨーロッパドライビングモード)で1.0L/100km、CO2排出量22g/kmを達成するBセグメントのコンセプトカーとなっている。

この燃費性能を実現するために、3つの技術を重視している。ひとつは車両重量は徹底的に軽量化すること、空力性能を革新すること、そして新たなガソリンエンジン+モーターのZEハイブリッドを採用することだ。そしてまたEOLABは誰でも購入できる価格設定を想定していることもルノーらしい点だ。

なおこのプロジェクトは、フランス政府のクルマの燃費を2.0L/100km以下にするという新工業計画の中の「フランス自動車プラットフォーム指針」に従った計画でもある。

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車重の軽量化のために超高張力鋼板(1200MPa~1500MPa)、ローコストの最新のマグネシウムパネルや各種アルミ材、複合材の技術を駆使しており、これらの新技術は10年以内に量産化が実現するとしている。車重は従来のスチール製に比べ400kgを軽量化しているという。ルーフ部はマグネシウム合金製だ。ボディの材料は高価なカーボン材を使用せず、軽量化とコストを両立させている。

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また空力では、70km/h以上で作動するフロントバンパーのアクティブスポイラーとリヤバンパー上の可動フラップ、室内スペースを犠牲にすることなくリヤトレッドの縮小によるリヤの絞り込みデザイン、可動式ホイールカバーなど新技術を採用して、Cd値は0.235、前面面積2平方mを実現している。なおミシュランとルノーが共同開発したタイヤは145mm幅で、超軽量、かつ低転がり抵抗を実現している。

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ZEハイブリッドは、コンパクトなエンジンを搭載、超低燃費を実現するとともに、60kmの距離を、120km/h以下で電動走行ができるという。搭載するバッテリーの容量は6.7kWh。ハイブリッドシステムは100%ルノー・オリジナルで30以上の特許を取得し、2020年に量産投入の計画だという。

搭載するガソリンエンジンは999ccの3気筒で、75ps/95Nmを発生する。クラッチなしの3速トランスミッションを装備し、既存のCVTやDCTよりはるかに軽量コンパクトで低コストであることがアドバンテージとしている。ギヤ構造は遊星ギヤ式ではないかと推測される。クラッチに相当する部分にはコンパクトな永久磁石式モーターが組み合わされている。モーター出力は最高50kW・40kW(常用)/200Nm。

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▲コンポーネンツのレイアウト

3速トランスミッションの1、2速はモーター専用で、3速がエンジン用として使用され、9種類の作動ができるが、もちろんギヤシフトは不要で、変速はシステムにより自動選択される点が革新的だ。ウイークデーモードを選ぶと、モーターと1、2速ギヤを使いEV走行をし、120km/h以上になるとエンジンも始動し駆動をアシストする。

ウイークエンドモードでは、モーター走行に加えエンジンが常時駆動をアシストし、減速エネルギー回生によりバッテリーに電力を蓄える走行モードとなる。この新しいシステムにより、小型軽量なBセグメントに、低コストでハイブリッドシステムを採用することが可能になるという。価格は現在のクリオ(ルーテシア)と同等レベルを想定している。

ルノー パリ・モーターショー EOLAB
EOLABの空力ボディの特徴がわかる。ドアは左1枚、右2枚の構成

EOLOBは、インテリアに革新的なHMI(ヒューマンマシンインターフェース)を備え、リアルタイムに燃費、エネルギーフローや、ドライバーのための走る楽しさがタッチスクリーン式ディスプレイに表示できるようになっている。

なおこのEOLABは、ルノーだけではなく多くの機能部品がパートナーとの共同開発で、この点も新工業計画の一環であることを示している。超軽量ガラス類はサンゴバン社(フランスの多国籍素材メーカー)、超軽量シート、フロアパネル、排気システムはフォルシア社、軽量・幅狭タイヤはミシュラン、ブレーキ類やシャシー電子制御はコンティネンタル社、超高張力鋼板やマグネシウムパネルは韓国のポスコ社と共同開発されることになっている。

■新型エスパス
ヨーロッパ初のミニバンとして1984年に発売された「エスパス」は5代目として登場する。ルノーはエスパスをミニバンとは呼ばずにMPVとしているが、今回の新型はエレガントな革新的大型クロスオーバーと称している。

ルノー パリ・モーターショー 新型エスパスルノー パリ・モーターショー 新型エスパス

つまり、多目的ミニバンにクロスオーバー的なデザイン要素、大径ホイールなどを盛り込んで、同時に存在感を主張。インテリアは2列シート、3列シートタイプをラインアップする。

 

ルノーグループ公式サイト

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