アルピーヌ・ジャポンは2025年6月12日、世界限定110台限定という希少な高性能スポーツカー「アルピーヌA110 R ULTIME（ウルティム）」の受注を開始した。このうち15台は、特別なボディーカラーをまとうスペシャルモデル「LA BLEUE（ラ・ブルー）」として販売される。
A110 R ウルティムは、「A110史上最も高性能で、かつエクステリアおよびインテリアをオートクチュールの一着のように好みの仕様に仕立てることができる」という究極のA110モデルで、価格も極めて高価なコレクターズカーとなっている。
A110 R ウルティムは、当初プロトタイプのみが作られる計画でスタートし、その後になって開発チームは「唯一無二の究極のロードゴーイングカーを作ろう」と市販化へ向けたプロジェクトへと発展させている。このプロジェクトの実現には、アルピーヌのスポーツカー製造ノウハウだけではなく、アルピーヌレーシングのレース技術が投入されている。
搭載される1.8L直噴ターボエンジンは、他のアルピーヌ・モデルとは異なり、高性能スパークプラグ、鍛造ピストン、強化コンロッドといった、アルピーヌ A110 GT4レースマシンで使用される専用キットが組み込まれた特別な組み立てとなっている。
ターボは、大径化と新設計のコンプレッサーを採用、軽量化されたタービンの採用で、過給効率とレスポンスが大幅に向上している。これらの変更と専用チューニングECUマッピングを採用することで、このエンジンは最高出力325ps/6000rpm、最大トルク420Nm/3200rpmを発生する。
組み合わされるトランスミッションは、エンジンの高トルクに対応し、シフトマッピングに専用のチューニングが施された6速DCTだ。また、トラクション性能を高めるために、リヤデフにはトルセンLSDを装備している。
サスペンション・スプリングとアンチロールバーは、アルピーヌ A110 R ウルティム専用にチューニングされ、4輪すべてに車高調整機能と伸・縮2ウェイ減衰力調整機能付のオーリンズTTXダンパーが採用されている。
ブレーキは、APレーシング製バイマテリアル330㎜ディスクと高性能ブレーキパッドで、新設計の冷却ダクトにより大幅に性能強化されている。
新デザインの専用鍛造ホイールは前輪が18インチ、後輪が19インチで、専用開発されたミシュラン パイロットスポーツ カップ2が装着されている。
ボディは、さらなるダウンフォースを得るために、エアロダイナミクスが改良され、フレキシブルフリップ・フロントスプリッター、フロントバンパーフィン、エアダクト付ボンネットなどを採用し、フロント部のダウンフォースはアルピーヌ A110 Rに対して120㎏（275㎞/h時）増加。フロントに搭載されているインバーテッドラジエーターを通った空気もボンネットのエアダクトから排出され、通気抵抗を低減し、同時に揚力を抑制する。
新設計のリヤスポイラーとダックテールスポイラーにより、リヤの安定性が向上し。センターフィン、 リヤディフューザー、サイドフリックにより、空気抵抗と空力バランスが最適化され、リア部のダウンフォースは、アルピーヌ A110 Rに対して40㎏（275㎞/h）増加している。
アルピーヌ A110 R ウルティムは、アルミシャシー、アルミボディワーク、カーボン製のボンネット、ルーフ、リヤフード/リヤスポイラー、アクラポヴィッチ製チタンエキゾーストなどにより、徹底的な軽量化を図り、運動性能の向上を目指している。その結果、車両重量は1120㎏を達成している。
なお、アルピーヌ A110 R ウルティムは、自分だけの理想のA110を作ることができる「アトリエ アルピーヌ」と、カスタムメイドを意味する「アトリエ シュル メジュール」の、ふたつのオプションプログラムが用意されている。
アトリエ アルピーヌは、27色のボディカラー、4色のアルカンターラ・インテリアとブラックマイクロファイバー・インテリア、3色のホイール、7色のブレーキキャリパーから、好みの色を組み合わせることができるオプションプログラムで、その組み合わせは5670通りにも及ぶ。
アトリエ シュル メジュールは、最高級皮革を使用した美しい家具で知られるPoｌtrona FrauR（ポルトローナ フラウ）、そしてサベルトのデザインチームが手掛けた、先進的で独創的なインテリアデザインとすることが可能になる。
センターコンソール、ダッシュボード、ステアリングホイール、ドアトリムを含むフロアからルーフまで、10色のレザーと、アトリエ アルピーヌに設定されている4色を含む 13色のアルカンターラを組合せてカスタマイズすることができる。
アトリエ シュル メジュールでは、ボンネット、ルーフ、ルーフアーチ、リヤフード、フィン、スポイラーなど、カーボンパーツとほとんどのエアロパーツをそれぞれ個別に選択したボディカラーに塗装することも可能（フロントスプリッター、サイドスカート、エクステンデッドディフューザーを除く）となっている。
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