【ルノー】アルピーヌ・ルノー再び! ル・マン24時間レースに出場決定

3月22日にパリで行われたレース参戦発表会

2013年年3月22日、ルノーは35年間という長い眠りから覚めたアルピーヌがレース活動を復活すると発表した。アルピーヌが製作したLMP2マシンでル・マン24時間レースとヨーロッパ ル・マンシリーズに参戦するというのである。

アルピーヌの復活の物語は、カルロス・ゴーン氏がルノーのCEOに就任したときにさかのぼる。アルピーヌは1975年以来ルノーの子会社となったものの活動はごく限られたものになっていたが、2001年にゴーン氏がCEOに就任しアルピーヌのブランドを復活、強化することが決定された。そのシンボルとして2012年にアルピーヌのプロトタイプでありコンセプトカーの「ルノー・アルピーヌA110-50」が登場。5月のモナコ・グランプリでデモンストレーション走行を行った。A110-50とは、アルピーヌの傑作車A110に対するオマージュであり、アルピーヌA110・50周年を意味すると考えられる。

「A110-50」はメガーヌRSのプラットフォームに日産のVVQ35DE型エンジンをミッドマウント。カーボン・ボディを備えたプロトタイプで、その後は各地のイベントやショーに登場している。

ルノー・アルピーヌA110-50 
旧A110のイメージを継承するA110-50

 

2012年11月にはアルピーヌ部門の株の50%をルノーがイギリスのケータハムに売却し、「アルピーヌ・ケータハム社」となった。このジョイント・ベンチャーによりアルピーヌ・ブランドのスポーツカーを4年以内に開発・発売することが発表された。具体的には2016年に市販スポーツカーを量産化し、アルピーヌとケーターハムそれぞれのブランドで発売するという計画としている。これはビジネス・リスクや開発コストを分散させたいというルノーの思惑の表れだろう。

こうしたアルピーヌ・ブランドの市販スポーツカー開発計画と同時に、アルピーヌ・ブランドの復活を印象付けるために、今回のル・マン24時間レース、ヨーロッパ ル・マンシリーズへの参戦が決定された。かつてのアルピーヌは1963年〜1978年に延べ55台のワークスカーがル・マン24時間レースに出場し、エネルギー指数賞やパフォーマンス指数賞を独占した歴史がある。そして、再び耐久レースの舞台に復帰することでアルピーヌ・ブランドの復活を宣言することになるのだ。

1969年のル・マン24時間レースに出場したアルピーヌA220

車番36を付けたアルピーヌLMP2が、サーキットに姿を現すのは3月26〜27日にポールリカール・サーキットで行われるヨーロッパ・ルマンシリーズのテストデーだ。ドライバーは、N.パンシアテシィとP.ローグ。そしてチーム運営は耐久レースのエキスパートのシグナテック・チームが担当する。そして実戦デビューは4月14日に決勝が行われるWEC第1戦のシルバーストン6時間レースとなる。

↑発表されたLMP2マシン、ルノー・アルピーヌ/日産↓

鮮烈なアルピーヌ・ブルーにカラーリングされた注目のマシン、アルピーヌ・日産は日産/NISMO製のVK45型V8エンジンを搭載。パワーは500psとLMP2クラスでトップレベルの出力を得ている。トランスミッションは6速Xトラック・シーケンシャル式だ。ここから、もう一つのプロジェクトが見えてくる。日産/NISMOはル・マン24時間レース主催者と協議しながらガレージ56(近未来車枠)でのル・マン24時間レース出場を計画している。今後のル・マン24時間、WECでルノー・アルピーヌ/日産のジョイントプログラムが進行する可能性は大きいと考えられる。

ルノー公式サイト

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