2017年7月14日〜16日、ドイツのニュルブルクリンクで世界耐久選手権第4戦「ニュルブルクリンク6時間レース」が開催された。第3戦まではル・マン24時間レースにターゲットを合わせ、ル・マン仕様のボディで戦ってきたポルシェチームが遂にハイダウンフォース仕様のボディで登場した。
トヨタは、スパ6時間、ル・マン24時間と2レースを3カー体制で戦ったが、今回からは通常の2カー体制に戻しての出場だが、ル・マンの雪辱はなるのか?ポルシェのハイダウンフォース仕様の仕上がりはどうか?がこのレースでの焦点だ。
トヨタは7号車のドライバーはマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス組、8号車はセバスチャン・ブエミ/アンソニー・デビッドソン/中嶋一貴組という組み合わせだ。
予選での7号車は、小林可夢偉とロペスが担当し、ポールポジションを獲得した。ポルシェ2号車がは0.15秒遅れで2番手、3番手はポルシェ1号車、そしてトヨタ8号車が4番手となった。トヨタはポールポジションを奪ったとはいえ、ポルシェ勢もほとんど同ペースで、ポルシェのハイダウンフォースの仕上がりは十分だ。
■決勝レース
7月16日のニュルブルクリンクは朝から雨に見舞われた。しかし、午後1時のスタート時間が近づくと雨は上がり、スタートを前にコースは完全にドライコンディションに変わった。この天候に翻弄された各チームは、スタート間際に急遽ドライタイヤへと交換した。
そしてフォーメーションラップが開始されたが、なんとトヨタ8号車のエンジンがストップし、モーターの力だけでピットに戻る。原因は燃料ポンプの故障で、ピットでポンプを交換し、8分、5周分の時間を失った。6時間レースでこれは致命的で、トヨタ・チームのレースは7号車に託された。
7号車は小林のドライブで好スタートを切り、最初のピットストップまでの約1時間、最速ラップを記録し、2台のポルシェを従えて首位を快走した。しかし、小林からステアリングを引き継いだホセ・マリア・ロペスは、タイヤの摩耗が激しいことに気付き、交替後2台のポルシェに先行を許し、3位へと後退した。ロペスは、追い上げるが空力的なバランスの悪化に見舞われペースダウン。これにより、ポルシェの2台が1-2体制を築いた。
このためトヨタチームは、着実に選手権ポイントを獲得することに集中し、7号車は2位のポルシェ1号車から1分4秒768遅れの3位でレースを終え、チームにとっては初めてのニュルブルクリンクでの表彰台入賞と、選手権ポイントを獲得した。
ポルシェは1-2体制を築いてからは、トヨタの追撃に脅威を受けることなく走行を続け、最終的には2号車が優勝し、1号車は1.6秒遅れで2位に入った。ポルシェLMP1チームはこの結果、今シーズン2勝目を飾ることができた。このレース後は夏休みに入り、第5戦メキシコ6時間レースは9月に開催される。
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