新型プジョー3008はすでに「マニアック評価・試乗記」でレポートしているが、なぜ、これほどまでレベルアップしたのか、その内容をお伝えしよう。
【プジョー】乗り味はこれぞちょうどいい 新型3008ハイブリッド試乗レポート BEVモデルは年内導入

最近のステランティスグループから発売される新型やマイナーチェンジモデルには共通のパワーユニットが使われている。
EB2型系1.2Lの3気筒ガソリンエンジンに、6速DCTを組み合わせ、そのユニットにはベルトドライブのスターター/ジェネレータを備えている。これはアイドルストップからの復帰でセルモーターを使わず、BSGでエンジンを再始動するので、振動がなく滑らかに再スタートできるというもの。
それとエンジンとミッションの間にもモータを組み込み、こちらは48Vで出力は小さいものの(20kW/55Nm)駆動を担うモータも搭載。搭載箇所はP2ポジションで、この駆動モータは30km/h以下で駆動し、走行中はエンジンのサポート役になる。

このパワーユニットがプジョー3008、シトロエンC4、C3、アルファロメオ・ジュニア、フィアット600などに搭載されているわけだ。

だが、プジョー3008だけ、車両のベースとなるプラットフォームが最新のモデルに変わっている。他のモデルはCMPを採用し、このCMPはICE搭載を前提に作られたもので、一方のプジョー3008は「STLA-ミディアム」という電動車向けのプラットフォームに変わっている。このSTLA-ミディアムは名前のとおり、C、Dセグメントをメインとし、CMPはB、Cセグメントを中心に採用しているという違いがある。
で、肝心なのは、プジョーの商品プロダクト全体のポジショニングが変わったことが大きな変化点だ。これは10月上旬に日本でWECレースが開催され、そのレースに参戦したプジョーは会場となった富士スピードウェイで量産の新型車「プジョーE-208GTi」を発表した。


このモデルはEVだが、この発表会の場でプジョーのCEOアラン・ファヴェ氏がブランドの立ち位置についてプレゼンテーションを行なっている。そこで語られた内容とは「アッパーメインストリーム・モデル」と表現していたのだ。
これは量販モデルの上位に位置付けられるモデルという意味で、量販の高級車と理解できる。したがって、インテリアやエクステリアデザインなどは従来の量販モデルとは異なるものが要求されるわけで、とりわけフランス・ブランドということで、デザインへのこだわりによるアッパークラスを表現しているようだ。
だからプジョー3008のインテリアデザインでは、細部にわたりこだわりとデザイン性の高さを感じたわけで、ライバルはフォルクスワーゲンだとも語っていた。
たしかに近年のフォルクスワーゲンはプレミアムの大衆化とも思える出来栄えで、同社のアウディと比較したくなるモデルも出てきている。量販モデルでこだわるポイントとアッパーメインストリームでこだわるポイントは異なってくるというわけだ。
したがって最新のプジョー3008は、格段にレベルアップしたインテリア、エクステリアは一目瞭然でデザイン性の高さは明確であり、これまでのプジョーとは一線を画す仕上げになっていることに気づくだろう。
あらためて、新型プジョー3008のデザインを眺めてみてもらいたい。












