2013年9月1日、プジョーは9月10から開催される第65回フランクフルトモーターショーで、プレミアムマーケットへの移行を強調するためにニューモデルをデビューさせると発表した。その主役となるのが新型308で、さらにフェイスリフトされた3008と5008も出展する。
またユーロ6 ディーゼル排ガス基準に対応したBlue HDiモデル、すなわちディーゼルハイブリッドのHYbrid4、208 HYbrid FE Conceptモデル、そして2008 HYbrid Air Conceptなど、プジョーのテクノロジー、環境技術のアドバンテージもこのショーでアピールする。さらにRCZ R、オニキス・コンセプトカーも展示される。
■新型308
新型308は、欧州市場の3分の1以上を占め、そのうち43%がハッチバックというCセグメントの中心に位置するモデルだ。プジョーブランドにふさわしいハイレベルの要求を実現するために、デザイナーとエンジニアは極めて高い品質を備え、大胆で直感的、近代的、ピュアで流線フォルムのハッチバックを作り出した。最新のEMP2(エフィシェント・モジュラープラットフォーム 2)により新型308 はカテゴリーで最軽量のモデルとなっているという。従来型に比べて140kgの軽量化を実現、さらに全長も4.25mとコンパクトだ。オーバーハングを短縮し、ダイナミックさと広い車内空間を両立させている。
高品質な生地と素材が使用された新型308の洗練されたインテリアには、SR1コンセプトカー(2010年のジュネーブショーに出展された3シータースポーツクーペ)にインスパイアされた「プジョー i-Cockpit」 が採用されている。クイックな敏捷性を実現するための小径ステアリングホイール、視認性に優れにる理想的な高い位置にあるインストルメントパネル、高いセンターコンソールと直感的ドライビングのための9.7インチタッチスクリーンによって特徴づけられる「プジョー i-Cockpit」 は、ライバルと明確に差別化を図っている。
エンジンはガソリン、HDi(ディーゼル)の5種類で、いずれも低燃費を実現。また最適化された空力特性(Cd:0.28、CdA:0.63)によって93g/kmというCO2排出量(1.6L・HDi 92エンジン)を達成している。また2014年春には、CO2 排出量82g/kmを達成する革新的なブルーHDiが登場する。3気筒ターボガソリンエンジン(1.2L・ e-THP)や新世代の6速ATを含む様々な新技術が導入され、新型308はハイパフォーマンスで経済的な新開発エンジンををラインアップする計画だ。
新型308はプジョーの最新技術が盛り込まれている。革新的なプラットフォームと軽量化、オーバーハングの縮小、低重心化、電動パワーステアリングなどを組み合わせることにより、新型308は最高レベルの敏捷性、快適なハンドリング、そしてロードホールディングの達成を可能にしているという。またドライバーのための様々なドライビングアシストが投入されている。ブラインドスポット・モニタリング、ダイナミック・クルーズコントロール、緊急衝突警告システム、緊急衝突ブレーキングシステムなどだ。まだこのセグメントでは未採用のフルLEDのヘッドランプが、上級グレードに標準装備される。
新型308は、ヨーロッパのマーケットへ投入するために9月12日からソショー工場で生産が開始され、その後、生産拠点は中国に移されることになっている。
また新型308のブースには、究極のスポーツコンセプトカーとなる「308 R Concept」も展示される。車高を低くし、車幅を拡げ、19インチのワイドタイヤを履いたこの「308 R Concept」 は、スポーツ性能とアグレッシブさを表現している。カーボンファイバー製のツートンカラーの下部には、プジョー・スポールのエンジニアたちが270psの最大出力、リッターあたり約167psを実現させた1.6L・4気筒ガソリンエンジンが搭載されている。そのポテンシャルを最大限に生かすために、「308 R Concept」はフロントにトルセンデフと、大容量の大型ブレーキングを採用している。
■3008 5008
2009年、プジョーではCセグメントにおけるブランドを強化するために3008、5008という2台を投入した。お互いに補完し合う特徴を持ち、まったく異なる顧客層に向けられているが、その後の4年間で3008クロスオーバーと5008MPVは、世界のマーケットで成功している。とりわけ3008は当初の目標をはるかに超える成功を収めている。中国マーケットでの人気、さらに2012年に世界に先駆けて導入されたディーゼル・ハイブリッドの3008 HYbrid4の高評価がその原動力になっている。
この成功を継続させるために、3008と5008は新たにデザインされたフロントフェイスと最新技術のヘッドランプを搭載したモデルがフランクフルトショーに出展される。ブランドの新しいスタイル(フローティング・グリル、特徴的なヘッドライトなど)を採用。インテリアには彫刻を思わせるセンターコンソール、リヤビューカメラ、フルカラー・ヘッドアップディスプレイなどの新しい装備が搭載されている。
■先進的な環境技術
2013年にプジョーはヨーロッパでのラインアップでCO2排出量をさらに低減することに成功した。2012年の企業平均燃費121.5g/kmから2013年5月時点で116.3g/kmに低減されているのだ。環境技術戦略は内燃エンジンの最適化、すなわち燃費の向上、小型化、スタート&ストップなどに加え、1.0 L、1.2Lの3気筒ガソリンエンジンのラインアップ追加など、新世代エンジンの投入が大きく貢献している。
さらにフランクフルトショーで新しい「Blue HDi ディーゼルテクノロジー」を搭載した新型308と508SWを出展する。SCR(尿素)選択式還元触媒と添加剤配合のFAP(粒子状物質フィルターシステム)を組み合わせることで窒素酸化物Nを90%減らし、CO2の排出と燃費を最適化しながら粒子状物質を99.9%まで低減させることができる。このテクノロジーはEuro6 ディーゼル排ガス基準に対応しており、2013年末以降、プジョーの全ディーゼルモデルに投入される。これによりディーゼルエンジンにおけるプジョーの技術的なリーダーシップがより明確になる。
プジョーはまた世界で初めて3008 HYbrid4 、さらに508 RXH と508 Saloon HYbrid4 に採用した「HYbrid4 ディーゼル・ハイブリッドテクノロジー」もアピールする。フロントアクスルを駆動する2.0L・Hdi 163 FAPエンジンと、リヤアクスルを駆動する37psのモーターを搭載し、最高出力200psのパワーを発揮するHYbrid4モデルは、CO2排出量は88g/kmからとなっている。
一方で、燃費が50km/L(欧州モード燃費)、かつリーズナブルな価格のクルマ造りの実現のために、HYbrid Airテクノロジーにより、プジョーはパイオニアとなるとしている。国際マーケット向けの2008クロスオーバーは、ガソリンエンジンと圧縮空気テクノロジーを組み合わせてコストを削減する新しいハイブリッドドライブトレインのベース車両となっている。この革新技術は2016年からBおよびCセグメントに搭載される。
2008HYbrid Air は最適な燃費を実現するために2つのエネルギーを組み合わる。ブレーキ、減速におけるエネルギー回生で得られる圧縮空気が新世代の3気筒ガソリンエンジンをアシストする。センタートンネルに位置する高圧・蓄圧タンク、さらにリヤアクスルに設けられたリザーバータンク、そしてトランスミッションに設置される油圧モーター/ポンプからなるHYbrid Air は、車内のスペースユーティリティ、居住性を確保。ドライバーはエアー走行によるゼロエミッション、ガソリン、それらの組み合わせという3つのオペレーションモードを選ぶことができる。
この新しいHYbrid Air は50km/Lという燃費目標を達成するため、フルハイブリッドの分野でもさまざまな革新的な技術を総動員し、208 HYbrid FE に搭載されている。1995年以降パートナーシップを組んでいるプジョーとTOTALが、排出量を抑えつつドライビングプレジャーを実現するという、野心的なチャレンジに取り組んだ208HYbrid FE の排出量はわずか49g/kmで、優れた燃費を誇る208の1.0L・VTiの約半分だ。それにも関わらず、0-100km/h は8秒を実現している。
この208HYbrid FEは、最適化された空力特性、コンポジットとポリカーボネート素材を使用して実現した200kgの軽量化、3気筒エンジンとオートマチックトランスミッションを組み合わせたガソリンハイブリッドだ。補助的な電気モーターとバッテリーは、耐久レースで実証されたユニットで、TOTALが特別に開発したエンジンオイルも使用される。また特製のタイヤとホイールリムにより転がり抵抗を低減している。
フランクフルトショーでは、これら以外にRCZスポーツクーペのチューンアップ仕様で270psエンジンを搭載する「RCZ R」、 今年のパイクスピーク・ヒルクライムで圧倒的なパフォーマンスを見せた「208 T16 Pikes Peak」、ニュルブルクリンク24時間レースのSP2Tクラスで1~3位を独占した300psの「208 GTi」 も展示される。