ステランティス・グループは2025年2月20日、アムステルダム本社でハンズフリー(手放し)/アイズオフ(交通環境の注視義務なし)とレベル3機能を実現した自動運転システム「STLA AutoDrive 1.0」を発表した。
STLA AutoDriveは、最先端クラウド接続AIコネクトサービス、インフォテイメント・システムの「STLA Brain」と、音声会話型AIアシスタント、最先端インフォテイメント& カスタマイズの「STLA Smart Cockpit」と並んで、ステランティスの技術戦略の柱とされており、これからの先進車両の基盤となるのだ。

なお、STLA Brain、STLA Smart Cockpitはステランティス・グループと台湾の鴻海(ホンハイ)、AMAZONとの共同開発で実現している。
また、STLA AutoDrive は、60km/hまでのレベル3の自動運転を実現し、渋滞時の運転負荷を軽減させることができる。
ステランティスのSネッド・キュリック最高技術責任者は、「ドライバーが車内で過ごす時間を最大限に有効活用できるようにすることが私たちの最優先事項です。STLA AutoDriveは、所定の運転操作をドライバーに代わって行なうことで、新たなドライビングエクスペリエンスを提案し、運転中の時間をより効率的で楽しいものにします」と述べている。

STLA AutoDrive は、交通状況と環境条件が自動運転の基準に適合する場合には、利用可能であることをドライバーに通知。システムを起動すると、交通の流れに合わせた車間距離、速度、ステアリング、ブレーキを自動運転システムがシームレスに管理する。
また、ハイレベルのセンサーを組み合わせることで周囲を常時監視し、夜間や厳しい気象条件下(雨天時や前走車の水しぶきなど)でも、安定した自動運転を保持することができる。もちろん、自動センサークリーニングシステムを装備しており、機能の保持に重要なセンサーを常に清浄な状態にし、機能の信頼性を保つ。

STLA AutoDrive は、実際の道路環境下で人間が操作しているようなスムーズな運転を実現。安全な車間距離の維持から合流支援までをシームレスに動作し、安全でストレスのない自然な運転レスポンスを追求したシステムだ。
自動運転の国際基準速度を超える高い速度域では、レベル2(ハンズオン)およびレベル2+(ハンズオフ/アイズオン)モードの高度アダプティブ・クルーズコントロール機能やレーンセンタリング機能に移行する。
STLA AutoDrive は、拡張性のある設計構想に基づいており、ステランティス・ブランドの車両全体に展開し、グローバル市場にも適応させることができる。また、クラウドに接続されており、OTAアップデートによる継続的な機能更新や、リアルタイムのデータ統合によるパフォーマンスの最適化も可能にしている。

STLA AutoDrive対象市場の関連国際法規に準拠しており、ドライバーはシートに座り、シートベルトを着用し、指示があればすぐに運転できる状態を保つ必要がある。また、地域によっては携帯電話の使用制限されるなどドライバーの行動に関する地域の法律にも適合させることができる。
STLA AutoDrive は、今後も進化を続けるプラットフォームとして設計され、進行中の研究やその進歩によって、高速域(最大95km/h)でのハンズフリー/アイズオフの自動運転、一部モデルにおいてはオフロード走行時の自動運転機能の拡張などもできる発展性を備えている。